大阪は雪の少ない地方である。それでも私の子供の頃は、雪合戦をしたこともあるし、雪だるまを作ったこともある。年に一度や二度ぐらいは真っ白な雪景色を見たものであった。
ところが近年は地球温暖化の影響なのか、めっきり雪が減って、雪景色も珍しくなってきた。我が家で雪だるまを作ることが出来たのは、最初の孫がまだ小さかった時に作ったのが最後であるが、その孫が今ではもう三十一歳にもなっている。
それでもその後も、毎冬に1〜2回はうっすらとでも雪が積もり、雪景色を見るために喜んで外へ飛び出して写真を撮ったりなどしたものだが、最近はそれすら出来なくなってきた。
何年か前にはわずかな積雪であったが、朝早く出かける時に、近くの角の家で、道路に積もった雪をかき集めて小さな雪だるまを作っているのを見掛けたが、夕方帰る時にはもう溶けて無くなってしまっていたことがあったが、それが近くで雪だるまを見た最後であった。
それ以来、一冬に一度ぐらいは地面や屋根、木の枝などがうっすらと雪に覆われ、山茶花の赤い花が白い雪で形どられることがあるぐらいであったが、それも一昨年は正月終わりに一回だけ、昨年はとうとう一回も積雪を見ないで春になってしまった。
今年はどうかなと思っていたら、2月になって強い寒波がやってきて、北陸や東北の日本海側では二メートルを越す大雪だとテレビで写していた。これなら大阪もおこぼれに預かれるかもと思って、気象予報を見ると大阪にも雪だるまの印がついている。これなら明日の朝は銀世界だろうと期待して寝たが、朝起きてみると空振り。屋根の上にかすかな雪か霜の痕跡が見られるのみでがっかりさせられた。
来週からは暖かくなるとテレビは言っている。この機会を逃したら、もう今年も雪は見られないのではなかろうか。雪の多い日本海側の人には申し訳ないが、大阪でも年に一度や二度は銀世界を見たいものだが、もう叶わぬ夢であろうか。