私の子供の頃はまだエアコンもなかったし、家も昔風の日本家屋が普通だったので、隙間風も多く、冬は家の中でも結構寒かった。それが普通だった。
そんな中で主婦は洗濯も水仕事をもしなければならなかったし、トイレが外にしかない農家などさえあった。それでも、子供達は寒さに負けず、平気で走り回ったりしていたので、シモヤケけやアカギレなどは普通に見られたものだった。
小学校の何年生の頃だったか忘れたが、冬になっても今年はシモヤケにならないのでいいなあと思っていたら、風の吹きすさぶ朝の校庭で、校長先生の長話を聴かされている間に、見る見るうちに両手が腫れてきて、しもやけになったのを今でも覚えている。
また小雪のちらつく校庭を走り回っていた時に、何かの弾みで右手の指先が左指にあたり、シモヤケが破れて出血したが、その傷跡が中年にってもなお残っていたこともあった。
ところがそんな時代も遠くなって、シモヤケやアカギレのことなど、もうすっかり忘れていたが、最近 SNSを見ていたら何かのくだりで、アカギレとして「皸」の字が添えられていてびっくりさせられた。「皸」という漢字には初めてお目にかかったのではなかろうか。
シモヤケは漢字では霜焼けというのは知っていたが、ヒビ、アカギレはいつも仮名で見たり読んだりしていて、漢字のあることには全く気がついたこともないまま、遠い昔の話になってしまっていたのだった。
ヒビにも「罅」という漢字があるようである。どの辞書にもヒビもアカギレも「罅」「皸」と載っている。私が迂闊にもこれまで知らなかっただけのことであるが、この歳になるまで全く知らなかったことに驚かされされた次第であった。