門灯が切れた

 秋になって次第に夜明けが遅くなってきた。いつも丁度夜が明けかけた頃に新聞を取りに、門の内側の新聞受けまで行くのだが、いつもはもういくらか明るくなっているが、最近辺りがまっ真っ暗なのに気がついた。初めは夜明けが遅くなったからかなと思ったが、昨年までの感じと比べても真っ暗なのである。おかしいなと思ったら、塀の外の門灯が消えているではないか。暗いはずである。

 こちらが歳をとるとともに、家の方ももう大分老朽化が進んできたので、門灯が切れてもおかしくはない。早速、いつも頼んでいる近所の電気屋さんに行ったら、見に来てくれて新しいのと交換しましょうということになった。

 寸法を見てくれて新しい門灯の用意をしてくれたが、デザインが違うものがいくつかあるので、どれが良いか決めるため電気店までいって、カタログを見て決めることにした。

 毎朝、明け方に近所の散歩をしているので、それなら散歩の序でに、近くの家の門灯を見て参考にさせて貰おうと考えた。ところが住んでいる古くからの住宅地も、最近はどんどん建て替わり、新しい家ばかりになって来て、外側の構造も違う家ばかりになって来ているではないか。

 百坪ばかりの土地を2分割したような家が多くなったが、そういった新しい家は玄関前のスペースを駐車用にあてているところが多く、そう言った家では塀で敷地を仕切るようなこともなく車が置いてあるだけなので、門灯など必要がない。また道路と玄関の近い家では玄関の灯りだけで十分である。

 古くからの和風の大きな家も一軒残っているが、屋根付きの門の上方に昔ながらの門灯があるが、ただ白いガラスに覆われているだけである。我が家の通りの他の家を見ても、門柱の上に丸い門灯かのっているだけのものや、玄関周りの飾りに小さな洒落た電球がついているだけのもの、車の駐車の助けのためもあるのか、玄関と外の境界あたりの下の方だけ照らすような電球が光っているだけのものなどで、結局どれも参考になるようなものは見つからなかった。

 知らないうちにそれぞれの家も昔とは変わってしまっているのだなと驚かされた次第であった。