バイデン大統領だけは広島空港を利用しない

 広島でのG7会議が終わって各国の首脳はそれぞれに国へ帰って行ったが、各国の首脳はどのようにして来日し、また帰って行ったのか知っていますか。

 NHK のニュースを見てお分かりのように、ゼレンスキー大統領は広島空港から帰国の途についたと言っていたので、おそらく他の首脳たちも同じように広島空港から空路で、それぞれ帰国したものと思われる。

 ただし、NHKニュースでも報じていたので、気がついた人も多かったであろうが、バイデン大統領だけはアメリカのヘリコプターに乗って岩国の米軍基地に行き、そこから大統領専用機に乗ってアメリカに帰ったのである。来る時も同じルートであった。

 これは今回だけのことではなく、以前トランプ大統領が来日した時も、横田の米軍基地へ降り、そこから米軍のヘリコプターで東京に来たのである。

 大統領でなくても、アメリカの政府関係者や軍人は、日本へ来る時は、殆どがこのルートで来日しているのである。横田にしろ岩国にしろ、米軍基地は日本ではなく、アメリカ国内の続きなのである。当然検疫などはなく、一旦基地に入れば、そこから日本の国内には自由に出入り出来るのである。バイデン大統領はヘリコプターでアメリカからヒョイと広島へ来たようなものなのである。

 G7などの国際会議が日本である時は、各国首脳が皆同じように扱われていると思い勝ちだが、日米安保条約があり、それにょって日本の主権が制限され、アメリカに従属した国になっている以上、アメリカ以外の国とは対等であっても、アメリカとは対等の関係ではなく、何をするにしても、日本はアメリカに従属した関係で、アメリカの意向を無視して、何も出来ないことを象徴的に表しているものとも言える。

 岸田首相がG7の議長として全面的に取り仕切って会議を成功させたように報道されているが、実は、アメリカの意向を伺って、それに従わねば会議の結論も決めることは出来なかったことを知るべきである。核兵器に対する態度表明が被爆者たちの悲痛な声に逆らってまで、核抑止力強調に終わったのも、アメリカの主張に従うよりなかったのであろう。