安倍元首相銃撃事件の謎

 この度、奈良県近鉄大和西大寺駅前で、元首相の安倍晋三氏が銃撃により殺された事件は世間に大きな衝撃を与えたが、それについての各新聞の報道を見て驚かされた。朝日、読売、毎日、日経、産経、東京の各新聞社の一面のこれについての見出しが、まるで誰かに指示でもされたかのように、全く同じなのである。黒い下地に白い文字で大きく「安倍元首相撃たれ死亡」と一字一句まで同じなのである。

 その上、犯人が狙ったとされるのが、かの有名な統一教会だと言うことがわ分かっているのに、初めのうちは皆が一致してその名前を出さず、単に宗教団体とのみ言っていたのも奇妙であった。選挙中であったことがあるにしても、すぐに分かることなのに、報道機関が揃って事実を明かさなかったのは、政府を思ん測ったためとしか思えない。日本のマスコミがそこまで政府に忖度しているのか、その歪みを思い知らされた。

 この事件の犯行の動機は、母親が統一教会に肩入れして、一億円からの寄付をして、家庭を潰してしまった恨みだとされているが、それは最早20年も昔のことであり、それより、直接統一教会を襲撃するのが困難だったので、安倍元首相が統一教会に親しいことを知り犯行に及んだという、犯行目標が変わったあたりには疑問が残る。また、そうした個人的な犯行であれば、普通なら犯行直後に逃亡を企てるところだろうが、すぐに無抵抗で捕まっている点も少し気にかかる。

 統一教会自民党の関係は創立時の岸信介の時代から密接なものがあり、勝共連盟を立ち上げたり、自民党統一教会の密接な関係はこれまでにもしばしば問題になって来たところである。犯人が統一教会への報復が困難だから安倍元首相を標的にしたというのは、筋道としては十分ありうることではある。

 また、この事件の現場での様子も気に掛かる。演説の場所がガードレールで囲まれた中なので安全と考えられて決められたのであろうが、背後が人も車も自由に通れる道路で、全く無防備なのである。しかも、犯人が4〜5米離れた後方から撃ったとされているが、安倍氏の背中には傷はなく、致命傷となった傷は、右の首から入って、右の鎖骨下動脈から心臓に達したもので、大量の失血による死だとされている。もう一つの傷も右肩と言われている。

 犯人の自製の銃での犯行で、一回目の発射後の煙が上がっている写真があるが、安倍元首相はまだそのまま立っているので、安倍首相を殺したのは3秒後かに撃たれた二回目に発射された6発の弾のいずれかによるものであろうが、ここでも疑問の点がいくつかある。

 安倍氏が振り向いた時に弾が命中したのではと考えられるが、それなれば、可能性として首の左側の方が考え易いが、右側では反対側に当たる。更に、十二発も弾が飛んでいるはずなのに弾丸が一つも見付かったいないとかも言われ、後刻、鑑識課を動員して弾を探している。その結果では、90米も離れた壁に弾痕が見つかったそうだが、それなら周りに大勢いた群衆に、誰も銃撃の被害を受けた者がいないのはどうしてだろうか。色々疑問な点が残る。

 また初め誰しもが想像したように、この事件が実は組織的な犯行であり、犯人の発砲の音や煙に合わせて、すぐ横のビルの屋上にいた狙撃手が撃った銃弾が致命傷だったのだという解説を SNSに載せていた人までいた。傷が首や肩でそこから心臓に達していたというから、上の方から狙って撃たれたとする方が説明し易いからと言うことらしい。

 そこまでは想像し過ぎではないかと思うが、安倍首相とロシアのプーチンとの関係などから、その関係を断つため狙われたのだと言っている人もいた。捜査本部も、未だ全てを握っているわけではないだろうし、公にできない部分もあるだろう。未だ闇の部分が多い。

 今の所、報道などでは、母親の統一教会への献金に始まる生活の困窮などによる教会への怨恨が安倍元首相襲撃にスイッチされた単独犯行ということで落ち着きそうだが、真実はもう少し時間が経ってみないと分からないであろう。報道だけからでは、腑に落ちないことが残ることも確かである。

 こういう政治絡みの事件となると、暗黒の裏社会が絡んでいる事も多いので、真実はいつまでも隠され、日の目を見ない可能性も考えに入れておくべきであろう。