老いた猿たち

 たまたまSNSで見た老いた猿の写真である。なんと人間の老人の表情と似ていることだろう。何となく惹きつけられて、同情というか、哀れさを感じないわけにはいかなかった。

 あまりにも人間の老化に表情、雰囲気が似ているではないか。猿たちよ。お前たちも一緒だなと声をかけたくなる。外観だけでなく、体力の衰え、運動能力の低下、動作が遅くなるなども人間と差して変わりがなさそうである。

 こうした老猿は若い猿たちと一緒には生活し難いので、動物園などでも、老猿たちのみを集めて若い猿とは別に飼育しているようである。猿の老人ホームといったところであろうか。

 老猿で有名だったのは、京都市動物園に「イソコ」といったアカゲザルがいて、四十三歳まで生き、世界最高齢の猿になって表彰状などを貰って、新聞にも出ていたが、昨年死んようである。動物園で生まれた猿であった。猿の平均寿命は15年ぐらいなので、人間で言えば120歳ぐらいまで生きたことになるらしい。

 老いた猿たちの写真を見て何となく惹きつけられて、そのまま閉じてしまうのが心苦しい気がして、保存しておきたくなった次第である。