古墳と神社

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 コロナの流行のおかげで、旅行も出来ないし、都会の雑踏も避けたいので、必然的に近くを散策する機会が多くなった。その結果として、ここ1〜2年に、思いもかけず、先にも書いたように近くの古墳をあらかた訪れたことになった。

 その中で気が付いたことのひとつが古墳と神社の関係である。古墳はそもそもお墓なのに、穢れの墓と晴れの神社が一緒だというのもおかしな気がしないでもない。お寺と古墳が一緒の所もあるが、お寺との関係は明治の廃仏毀釈の歴史があるので昔の姿はわからないので触れないことにしておこう。

 Googleで少し調べてみると、どうも古墳と神社の関係は古墳の造成された初めからのものではなさそうで、古墳が出来た時代より後になって、古墳の本来の祭葬儀式などが消えた後に神社が祭られた所が多いそうである。 

 神社信仰は日本の古いアニミズムと関係が深いので、古墳時代よりずっっと後になって、こんもりとした古墳などが神社の祭祀の絶好の場所として選ばれたことも多かったのではなかろうか。

 古墳と分かっていて作られた神社もあろうし、古墳とは知らず、こんもりとした古墳の山を利用して社が建てられた所もあるのであろう。神社のすぐ近くに古墳がある所もあるし、社殿の後方に古墳の石室がある所もある。社の下から古墳の石室が見つかったという話も稀ではないようである。

 我が家の近在で一番典型的なものは、尼崎の御願塚古墳であろうか。今でも残る立派な環濠に囲まれ、前方後円墳の後円の頂上に神社の社があり、下の堀の橋の袂の鳥居をくぐって階段を上がって頂上へ行けば社がある構造になっている。鳥居には南神社と書かれた額が掲げられており、周囲は御願塚という地名にもなっている。

 ついでながら、ここからさして遠くない所にある南清水古墳もここと同様に古墳の頂上に素戔嗚尊神社が鎮座しているし、先日のBlogに書いたように池田や豊中の古墳にも神社と関係したものが多い。五社神社、八坂神社、猪名津彦神社、原田神社など神社とばかり思っていた所にも古墳があったり、古墳と関係が深いなど知れば知るほど興味が尽きない。

 コロナのおかげで近在の古い歴史に触れられ、足の衰えの防止にもなり、何か得をしたような気がしている。