男女平等と言っても・・・

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 最近は若いカップルなどでは男が家事を手伝ったり、子供の面倒を見る場合も多くなり、街角でも、赤ん坊を前に抱えて歩いていたり、幼稚園に幼児を送って行ってから出勤する若いお父さんもよく見かけるようになってきた。

 昔と違い、共働きでないと生活していけない人たちが増え、夫婦が助け合わないと生活が成り立たないので、必然的に家事や子育ても二人で分担しなければならなくなっているケースが多くなった。それが男女同権を促進している面があることは喜ばしいことである。

 そんな風潮に同期して、男女同権の声が大きくなり、LGBTXなども社会的な問題となってくると、男もこれまでわが家の主人と言われ、家族を養っているのは俺だぞと威張っていた男たちも、もはや細君のご機嫌を伺い、そこそこは手伝いもしないと家庭が成り立たなくなってきている。夫婦の言葉も同じ響きになってきている。

 それでも長年の男尊女卑の風調はそう急には治らない。社会的には、まだまだ男女同権が定着してきていると言えるところまでは来ていない。今なお、役職者や政治家、官僚など力を持っている者たちでは、男性が圧倒的に多く、社会の隅々にまで行き渡った男性優位の社会構造はまだ執拗に残り、女性たちは今なお男性の権力に圧倒され、ガラスの天井に封じ込められているだけでなく、あらゆる場面で対等な権利を奪われたままである。

 夫婦が家でお互いに相手をどう呼んでいるかを見ただけでも、男尊女卑の社会の根の深さがわかる。最近の新聞にも今でも夫婦がお互いをどう呼ぶのか、適切な日本語が見当たらず困惑している人が多いという記事が出ていた。。第三者に自分の妻のことを何と呼ぶか、「ウチのが」「家内が」「ワイフが」とか言っていることが多いようだが、「ヨメ」や「配偶者」「女房」「奥さん」「お母さん」「ウチのヨメさん」など今なお古い家制度を連想させる呼び方が続いている例が多い。

 逆に女性は誰に対しても「おとうさん」と読んでいることが多いようだが、「ウチの主人」とか「旦那」「亭主」なども使われている。皆何となく引っかかるようで、名前で呼ぶ人もいる。

 家の中では夫は「お父さん」妻は「お母さん」と呼ばれることが多いようだが、お互いは男は「おい」「お前」「あなた」や「あんた」あとは名前やあだ名、女は「あなた」「あんた」「ちょっと」などと言うのも多いのではなかろうか。

 行動面でも、最近上に掲げた絵のように、お父さんがファーストフードでサンドイッチか何かを買って家に帰ると、「ありがとう!お父さん気が効くね」などと称賛されるが、お母さんが同じようにファーストフードでサンドイッチを買って帰ると、「また手抜きだな。料理するのが面倒なので、また買い食いで誤魔化そうとしているな」と思われがちである。どうも日本だけではなさそうである。

 男女の社会的な行動は、いまだに狼虎として、昔から頭に残っている男性優位の慣習が続いているようである。