やっぱりオリンピックはやめよう!

 コロナの感染が拡がっている中で、どうしてオリンピックをしなければならないのか、政府は国民にはっきり説明しなければならない。

 感染を抑えるために、折角、国民が人流を減らし、三密を避け、マスク着用、手洗いなどを励行し、逼迫した医療を何とか持ち堪え、飲食業者は店を閉め、旅行や会合を控え、失業者も増え、色々な所に現れる歪みを何とか乗り越え、何とか努力して、第4波の流行を乗り越えようとしているが、感染力の強いとされるデルタ変異種も増え、第5波の到来も危惧されている。そんな中で、それを煽るかのようなオリンピックをどうして今しなければいけないのか。

 世界中から何万人という人が集まり、一堂に会して競技をし、それを観戦するという、オリンピックは感染症撲滅とは全く逆なことである。それを感染症流行の真っ只中でするというのは、どう見ても正気の沙汰ではない。どうしてそれをしなければならないのか、それを国民にはっきり説明すべきである。

 コロナに効く薬はまだないし、ワクチン接種もいくら急いでも、今年の終わり頃まではかかるので間に合わない。これで、オリンピックによって第5波の流行でも拡がればどうする積もりであろうか。病原性の強いデルタ変異袾も世界中に広がりつつあるところである。

 政府が都合の良い時にだけ利用している専門家たちの意見でも、「コロナ流行下でのオリンピックは普通にはないこと」だと言っている。東京都の医師会も反対声明を出している。それらに反してまで、政府が強行するからには、国民に納得してもらうだけの説明が必須であろう。どうして国民に説明しないのか。政府は今もって国民に「知らせるべからず、寄らしむべし」の独裁体制で望もうとしているのであろうか。民主主義とは遠く離れた態度と言わねばならない。

 このままオリンピックを行って、実際に流行が爆発し、多くの死者や病人が出て、医療崩壊が起こり、社会が混乱に陥ったらどうするのであろうか。幸い、そういうことが起こらなければ良いが、最悪な事態に陥った場合の対策は立ててあるのであろうか。コロナがなくとも酷暑や台風、地震などの自然災害への備えも大丈夫なのだろうか。

 それさえはっきりしないのであれば、絶対にオリンピックは止めるべきである。オリンピックは平和の祭典であり、人びとの幸せのためのものである。政府は国民の命を賭けてでもオリンピックを成功させ、秋の選挙の勝利を目指しているのだという人もいるが、絶対に人命は賭けるべきものではない。

 いずれにしろ、政府ははっきりとオリンピック開催の経緯や理由を説明すべきであり、それが出来なければ、キッパリととオリンピックは止めるべきである。