オリンピックの聖火リレー

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 オリンピックの聖火リレーが始まっているようだが、コロナの流行は益々猖獗を極め、今や第4波が始まっているようである。大阪などでは、再び飲食店などの営業時間短縮などが要請され、それに伴って、大阪市内での聖火リレーも中止になったようである。

 聖火リレーは以前のオリンピックについても、テレビでしか見たことはないが、イメージとしては、聖火を掲げた人が沿道の観客の声援に答えながら走り、次々と聖火をリレー式に渡しながら、全国の道々を走るようなものだと思っていたら、SNS を見て驚いた。

 まず出てくるのが、スポンサーの派手な大型車が何台も連なって進み、これまた派手な服装をした宣伝員を大勢従え、大音響で宣伝を繰り返しながら街を行くではないか。聖火を持った走者が何処にいるのか隠れてしまって判らない。三密もなんのその、コロナ禍など無きが如きの雑踏で、賑やかな行列である。

 オリンピックの商業化はここまで来たかと嘆かざるを得ない。本来の聖火リレーの精神などどこのもない。もうスポンサーの力が強くなって、オリンピックはそれに振り回されて、商業主義の出し物になり、聖火リレーもまるで大売り出しの宣伝隊のようである。

 ナチスドイツによるベルリン大会の時以来、オリンピックは国威発揚のために使われるようになり、その道をいがめてしまったが、今では巨大資本の一大宣伝場と成り下がってしまったとも言えよう。

 最早、本来のオリンピック精神は失われてしまっているのに、国が全力を挙げて付き合う必要は無くなったのではなかろうか。オリンピックを大資本の商業主義から奪回し、本来のスポーツの祭典に戻さなければ、開催の意味は無いのではなかろうか。ましてや、このコロナ流行の終焉が見られない中でオリンピックを強行する意味はなくなっているのではなかろうか。

 政府は既に聖火リレーまで始めてしまって、あくまでオリンピックを強行しようとしているようだが、経済的な問題やスポンサーやIOC等との関係などの如何を超えて、コロナ対策を優先させ、オリンピック中止を早く決断すべきであろう。