最近はカタカナ英語やそれと日本語の交じった言葉、それらの短縮カタカナ語、略語などのカタカナ単語が多くなり、新たな言葉も多く、新聞などにもこういった言葉が次第に広く使われるようになってきて、若い人との接触の機会の少なくなった老人には中々ついて行けない感じである。
カタカナ単語の略語やローマ字入りカタカナ語など、その由来がわからないものは、漢字と違って文字が意味を伝えてくれないので、文字を見てもその語の意味を想像し難い。
「テレビCMでのツンデレBLドラマはもはやサブカルでなくてメインストだ」とどこかの新聞に書かれてたが、テレビCMはわかっても。次のツンデレBLドラマと言われても何のことかわからない。あとのサブカルやメインストは容易に想像できたが、主語がわからないので何のことやらわからない。
グーグルで調べてみると、ツンデレはツンツン、デレデレの省略で、BLはBoys Loveの略だとわかり、ようやく記事の表現を理解することが出来た。老人にはとてもついて行けない。
オワコン、ロコトレ、オキハイ、デリヘル、ウエビナー、エシカル、ロリコン、アマプラ、メアド、フィンテック、タニマチ、アレクサ、ポリコレ、サラメシ・・・・・
最近遭遇した略語を適当に並べてみたが、どのぐらいの人がどのぐらい理解して使っているのであろうか。「アレクサとはどんな草かと孫に聞き」という句が新聞に出ていたところから見ると、老人たちは皆このカタカナ言葉に戸惑っているのではなかろうか。
アレクサとはアマゾンが出しているスマートスピーカー「Amazon Echo」で利用可能な音声サービスで、「アレクサ」と話しかけるだけで、いろいろな操作、たとえば天気予報やニュース、ラジオを聞いたり、家電をコントロールしたりすることが出来るものだそうだが、これなど固有名詞だから仕方がない。
しかし、多くのものはいろいろな言葉の短縮系であったり、合成語の略であったりとその素性も色々なので、余計に分かり辛い。現在の新聞やテレビ、SNSなどを見ていると、やたらとこういうすぐにはわからないようなカタカナ略語が日に日に多くなっていくようである。
カタカナ英語の略だったり、日本語由来のものだったり、変則的な日本語からのものだったりと、起源もいろいろ、おまけにカタカナの短縮系の言葉となると、リハと言ってもリハビリテーションであったり、リハーサルであったりするように、違った言葉の同じ短縮系だったりするので、その言葉の使われる状況も知らねば分からないことも多くなる。
エンタメがエンターテイメントの、安パイが安全パイの略だというぐらいはすぐにわかるが、オキハイとかオワコンと言われると、すぐにはわからない。前者 が一定の所に置く配達のことで、後者はもはや終わった時代遅れになったコンテンツだということは説明を聞かないとわかり辛い。
そうかと思ったら、フィンテックという Financial Technologyからの合成語であるFintechのカナ書きのようなものもあるし、エシカルというから何かと思ったら、英語のethicalだったりのこともある。昔から使われている相撲の贔屓筋のタニマチなども紛れ込んで来る。
言葉は文化によって生み出されるものだから、文化が変われば、言葉も変わるのは当然であろうし、新しい流行は若い人から始まるものだから、老人が戸惑っても仕方がないのであろう。
中国から漢字が入って来た時も、日本語に中国語の発音の似ているものを当てはめ、万葉仮名の日本語を作り、それが定着して、やがては仮名文字も出来て来たのであろう。今回のカタカナ語なども、日本流にアレンジされた英語などが日本語と組み合わさり、言い易いように省略されて使われるようになり、新しい日本語が出来て行くのであろう。
もう戦前までよく使われていた漢字の多い候文などが死語になってしまったように、将来の人には、今の日本語はそのままでは分からなくなり、カタカナ略語の多い言葉が一般的な日本語として広く広がっていく時代が来るのではなかろうか。
念の為、ここ1〜2日に見た仮名文字日本語を期しておく:
デリヘル デリバリーヘルス
オルト系 オルタナティブ系
ツンデレ 日常はツンとしているが、二人だけになるとデレっとする
ウエビナー ウエブで行われるセミナー
ロリコン ロリータ・コンプエックス
エシカル ethical
メアド メールアドレス
アマプラ アマゾン・プライム