日本のコロナ対策医療は既に崩壊している

 

 昨年暮れから新型コロナの第3波が日本中を覆い、緊急事態宣言が出されて3週間を過ぎても一向に落ち着く気配を見せていない。

 新型コロナは第二類の感染症とされているので、本来は全て隔離入院させることにっているが、PCR検査が陽性であっても、病院の病床に限りがあるので、症状がなかったり、軽症の人は保健所の指示によって、入院でなく、宿泊療養と言うらしいが、ホテルや自宅で隔離生活を送ることになる。

 ところが、感染者の増大によって、保健所を通じて行われる、この入院選別方式がパンク状態で、保健所の電話が通じず、電話が通じても、病院の病床がいっぱいで収容がままならず、重症でなければ入院出来ず、ホテルや自宅での療養を指示された人が溢れる状態になってしまっている。

 ホテルを利用できた人はまだ良いが、家族への感染を恐れながら自宅で隔離生活を送る人たちは大変である。それまで通り家族と共に暮らして感染させないようにするのは至難の業ではなかろうか。自宅療養というより自宅放置というべきか。

 入院出来ずにこれらの宿泊療養を強いられる人たちは、病気であるにも関わらず、保健所からの問い合わせがあるだけで、医師の診察を受けることも出来ず、保健所からのチェックがあるだけで、重症化しても入院出来ずに死亡する人が、昨年12月から約2ヶ月間に12都道府県で29人にも上っているそうである。

 このうち、10人は入院や宿泊療養などの調整中に亡くなっており、保健所の判断による自宅療養中の人が17人、宿泊療養中が2人ということのようである。

 これだけ見ても、最早、新型コロナの対する医療制度は崩壊していると言わなければならないのではなかろうか。原則として、入院させなければならないと義務付けられており、入院に応じない者に対する罰則規定まで決められているのである。当然国には発病者は入院させて治療する義務があるのである。

 この他にも、自宅や高齢者施設などでなくなり、警察などの対応で、新型コロナウイルスの感染が確認された死者も今年になってからだけで、75人いることが判ったそうである。

 また1月29日の夕刊によれば、90歳代の認知症のある老人が、入院中の病院でコロナが陽性とわかり、コロナ加療のために他院への搬送が依頼されたが、何処にも受け入れ先が見つからず、結局自宅へ搬送されたという。こうなるともう、誰が見てもコロナに対する入院医療体制は完全に崩壊していると言わざるを得ないであろう。

 入院拒否に罰則を課すどころか、それより先に全ての患者を入院治療させるべく、医療体制を整えることの方が先であろう。人命に関わることである。早急に全力を挙げ、あらゆる手段を講じて患者を助け、全ての患者の命を救う努力をすべきではなかろうか。