GoToを続けてコロナ退治は出来ない。

 大売り出し!お得だよ!と大々的に売り出しておいて、「来るか来ないかはお客さんの判断だ」と大見得を切ってごらん。その通りに違いないが、そんなことを言った番頭はたちまちクビになるのではないだろうか。

 それがクビにならないのが政府らしい。GoTo対策に担当の西村大臣がそう言っているのである。確かに行くか行かないか判断するのは客である。しかし、大売り出しを言う方は、客の判断を曲げてでも来て欲しいから大々的に宣伝もし、来易いように色々な便宜を図ったりするものである。それを客の判断だと言って水を差すなら初めからしなければ良いのである。

 GoToのような政策は本来はコロナが収束した時にするものである。それをコロナが少し落ち着いたからと言って、本来コロナが落ち着いてからの対策を、政治がらみに経済との両立だなどと言って、前倒しして始めたのが間違いであった。

 まだコロナ感染が落ち着いていないところに、GoToだなどと騒ぐものだから、案の定、コロナの第2波、第3波に見舞われて政府は「しまった。どうしたものか」と泡を食っているところである。

 一旦始めたGoToはもはや急には止められない。そうかと言って。このままではコロナの感染はますます広がって、手がつけられないようになりかねない。そんなところからGoTo使うかどうかは「皆さんの判断だ」と西村経済再生相の無責任な発言が飛び出したもので、もうお手上げだと言っているのと同じである。

 コロナは初めてのことで、勝手がわからないので、難しい面があることはわかるが、政府の判断はあまりにもその場限りで、全て失敗して来たと言っても良いであろう。

 この際、GoToなど止めて、コロナ防止策を徹底して、それによる国民に被害を補償する政策に切り替えて、まずはコロナの収束を徹底して狙うべきではなかろうか。昔から「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言うではないか。経済との両立などと安易に考えてGoToなどを前倒ししたことが失敗だったのである。

 急がば回れで、まずはコロナを収束させ、その後に経済の再建を図る道に戻るべきであろう。