核兵器禁止条約を批准させよう!

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  国連の核兵器禁止条約の批准国がとうとう50ヶ国に達し、来年の一月にはいよいよ条約として発効することになった。これは核保有国がなかなか核兵器の縮小、廃絶に向かわないので、核兵器を持たない国が集まって、核兵器の廃止の国際世論を作っていこうとして始めたものである。

 日本が唯一の原爆被災国であるので、当然日本も始めから加わるであろうことをも念頭に、始められたものであるが、期待を裏切って日本は未だに参加していない。アメリカの核の保護下にあるからというのが参加しない日本政府の言い分のようだが、そこまでアメリカに遠慮する必要はないのではなかろうか。国連では、賛成国の会議に日本を招待し、欠席の机に写真のような折り鶴まで置かれているようである。

 岸防衛大臣は、訪問先の山口市で記者団に「核の保有国が加われないような条約で、有効性に疑問を感じざるをえない」と述べており、日本がこれに参加する可能性はなお少ないと思われる。しかし、その上で、「日本は唯一の被爆国であり、核兵器の廃絶に向け、リーダーシップを取らなければならない。核の保有国を含む国々が廃絶に向けた具体的な動きを示すことが大切で、国際社会が合意出来るような環境を作っていかなくてはいけない」と述べざるを得なかったのが政府の立場であろう。

 もちろん、この核兵器禁止条約が出来ても、核保有国が核兵器をすぐに廃棄することはないであろう。しかし、世界の核兵器禁止の世論が広がり、国連がそれを強調するようになるにつれ、核保有国も次第に核兵器を使用したり、脅しに使ったりすることが憚るられるようになるであろうから、この核兵器禁止条約の加盟国が50ケ国を超えてさらに多数になることは核兵器使用の抑止に大いに役立つことと思われる。

 それがやがては、核保有国の核廃絶運動に繋がることも期待出来るようになるであろう。そういう将来を目指しても、唯一の被曝國がこれに参加しない手はない。国民の声を大きくして我が国が一刻も早くこの条約を批准するよう政府に圧力をかけよう。そこまでアメリカに遠慮することはない。多くの国も国民も日本の加盟を望んでいるのである。人類の切ない願望として核兵器禁止条約に是非参加して欲しいものである。