こどもの頃に身近にあったもの

 先日、「 もう二度と味わいたくない言葉」として、戦前戦後の言葉を並べたので、今度は、私の子供の頃に身の回りにあったものの名前を思い出しながら並べてみた。もう70年から80年以上も前の日本の庶民の生活に用いられたものである。いつの間にか、もうすっかり忘れていたようなものもあり、時代の変遷とともに身の回りにあるものも、いつしかすっかり変わってしまっていることに驚かされる。

 母が歳をとってから、旅行する毎に車窓からの景色を眺めて、「藁屋根の家がなくなったねえ」と繰り返していたが、今やスレートの屋根や四角いコンクリートの建物ばかりになって、今度は私が「瓦の屋根の家がなくなったねえ」と言わねばならなくなってきた。

 今の若い人に、これらの物がどれだけ分かるだろうか?私にとっては、それぞれの物はそれぞれに、子供の頃の思い出につながっているのである。

 畳、障子、襖、御簾、欄間、鴨居、長押、天井、床の間、床柱、違い棚、掛け軸、香炉、

蚊帳、縁側、上がり框、籐椅子、手水鉢、書棚、文机、押入れ、納戸、離れ、

玄関、衝立、裏木戸、勝手口、押入れ、神棚、仏壇、御真影、仏間、応接間(洋間)、

お勝手、おくど、竃、お釜、たたき、臼、はたき、バケツ、雑巾、七輪、

卓袱台、お櫃、流し、俎板、洗濯板、伸子針、黒電話、火熨斗、霧吹き、

井戸、風呂桶、五右衛門風呂、上がり湯、焚口、鞴、薪、鉞、鍬、柄杓、桶、

お手洗い、御不浄、金隠し、肥壺、肥桶、汲み取り、

囲炉裏、櫓炬燵、火鉢、長火鉢、火箸、五徳、

庭石、庭木、灯篭、垣根、雨樋、塀、木戸、潜戸、物干し竿

蝿取り、蠅叩き、蝿取りリボン、蚊取り線香、日めくり、

東郷平八郎のカレンダー、夕涼み、

煙管、煙草盆、マッチ、煙管、マドロスパイプ、羅宇、刻たばこ、

硯と墨、ランドセル、上履き、筆箱、鉛筆、筆、消しゴム、鋏、定規、

爪切り、耳かき、歯ブラシ、歯磨き粉、練り歯磨き、石鹸、軽石椿油、櫛、手鏡、

バンソ膏、肝油、包帯、ガーゼ、ハンカチ、鼻紙、お灸、艾、鍼、

衣桁、長持ち、行李、風呂敷、行李、布団袋、ドンゴロス、

足袋、地下足袋、草履、下駄、高下駄、鼻緒、上履き、

紋付、着物、袴、帯、襦袢、股引、ステテコ、猿股、ブルマー、褌

百人一首、トランプ、花札、べったん(メンコ)、双六、チャンバラ、ターザンごっこ、木刀、竹刀、羽根つき、凧揚げ、草舟、草笛、

ドロップ、キャラメル、グリコとおまけ、大福餅、あんぱん、汁粉、ぜんざい、粽、

ラムネ、サイダー、お酒、赤玉ポートワイン、ビール、鉄管ビール

まだまだ挙げればきりがないであろうが、思いつくままにきしたに過ぎない。