政府は桜を見る会の出席者名簿を出すべきだ

 昨年来、国会で野党が追求している「桜を見る会」について、政府は誰が聞いても嘘としか思えない答弁を繰り返し、官僚も首相に忖度してあまりにも見え透いた虚偽や意味のない見当はずれの答弁で、テレビで見ているだけでも腹が立ってくる。「募集していない、広く募っていた」というに至っては開いた口が塞がらない。

 出席者名簿も菅官房長官は「廃棄した」「調べる必要はない」と言い、安倍首相もプライバシイにかこつけて明かそうとしない。電子データも消去したと言い、まだ残っているはずだと追求されても、電子データ廃棄記録(ログ)を開示できない理由について、「同じシステムを国家安全保障局も利用しており(記録を確認すると)国家機密漏えいの危険が増す。確認は不正侵入の検証などの範囲内で行う」と述べた。また「廃棄の時期は各省庁の判断に委ねられている」として、野党側の開示請求に応じる必要はないとの考えを改めて示した。国民を馬鹿にした言い逃れとしか聞こえない。

 そもそも、「桜を見る会」は各界で功労のあった人を国費で招いて行われるものであるから、政府には誰がどのような功績で招かれてたのかを示す責任があり、プライバシーといっても、も国費を使っている以上、政府の招待を受け入れた時点で、世間にも知られるべき名簿であり、名前を公表しても、該当者のプライバシーを傷つけるとは到底思えない。

 功労を称えるものであるから、それを隠すべき理由はなく、むしろ、国民に広く知らせて称えても良いものである。プライバシーを理由に隠すことは、国民が功労者を知る権利を奪うものとも言えるであろう。電子データには必ず残っているはずで、「国家機密漏えいの恐れ」など誰が考えても、いい加減なその場限りの言い訳としか考えられない。

 政府にやましいことがなければ、招待者名簿を明らかにしさえすれば、この問題は簡単に解決するはずのものである。その名簿を出さないことは、出せば困る事情が政府にあることを懸命に主張していることにもなるであろう。

 ここまで、いろいろのことが明らかになってきているのである。最早政府は名簿を明らかにして、責任を取り、退陣すべきではなかろうか。