右足が痺れる

 一週間か十日ぐらい前から、右の腰部から大腿部外側に違和感があり、歩いていると、右足が痺れるような感じがして痛くなり、途中で一服しなければならないようになった。

 最近にも転倒したことがあるので、大腿骨の損傷や、或いは大腿骨頭壊死なども考えたが、局所の痛みや症状もないし、右足で立っても、運動をしても痛みも圧痛などもないので、直接の骨や筋肉の問題ではないだろうと思われた。

 色々と体や足を動かしたりして様子を見ると、どうも腰椎下部あたりの脊柱管狭窄でもあって、体の動作によって、下肢への神経が圧迫でもされるためではなかろうかと思われるようになってきた。

 普通の体の動作ではどうもないので、家の中での生活には差し障らない。右足で立っても立てるし、ラジオ体操も出来る。ただ寝る時に背臥位で真っ直ぐ足を伸ばすと右側の腰部から足までが突っ張る感じがして、側臥位になると楽になることや、歩き始めは良くても、時間が経つと右足が痺れるような感じがして、遂には立ち止まらなくてはならなくなること等を見ると、どうも脊椎管狭窄症の感じである。脊椎管狭窄症の人は自転車ならどこまでも走れるものだというので、前屈みになって歩いてみると、案の定結構歩けるので、矢張りそれのようである。

 しかし、この歳になって比較的急に起こってきたのは、昨年死んだ友人の岡原君がそうであったように、前立腺癌の脊椎への骨転移というような可能性も否定できないのではないかとも思われる。

 もし、もっと若い時だったら、心配になったかも知れないが、この歳になると、最早癌が見つかって骨転移があり、不治と判っても驚きはしない。脊椎管狭窄症のようなものであれば、対症療法だけで、今更手術などしない方が良いだろうから、機会があれば原因を確かめるとしても、強いて急いでジタバタすることはない。今の所は、しばらくこのまま様子を見るのが良いのではという結論になる。

 症状が起こってからも、箕面の滝までも、途中で休みを入れたにせよ、行って来れたし、医師会の講演会にも聴きに行ったし、杖歩行で休みを入れれば1日一万メートルでも歩けるから多少不自由であっても、今の所生活に困ることはない。

 この先、どのような経過を辿るのかはわからないが、機会があれば、背骨の検査ぐらいはすれば良いが、後は成り行きに任せようと思っている。