徵兵制への道

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 我が国で徴兵制がまた行われるようになるといっても、まだ、まさかと思う人が多いかも知れない。しかし安倍内閣を中心とする右翼勢力は、上の写真のように、何とかこの国にまた徴兵制を引こうと策略を練り、事を進めようとしていることにき気づくべきであろう。

 徴兵制のために憲法改正をしようとしているのだといっても良いぐらいである。日米安保条約によって、アメリカは自衛隊を増強し、アメリカの従属部隊として組み込もうとし、安倍政権はそれに応えて大量の武器をアメリカから買い、軍備を増強しているのが現状であるが、これ以上事を進めるには憲法改正が必要となるので、何とか憲法を変えようとしているのである。

 しかし制度を整え、装備は出来てもは自衛隊員が集らなければ事は進まない。そのためには自衛隊が自国を守るためではなく、日米同盟による米軍への貢献のためであることを隠し、国民を守るためのものであるとを認知してもらわなけらばならない。そのために災害救助活動などを盛んにし、「国民のための自衛隊像」をう打ち立てようとしているのである。

 それでも自衛隊の評判は芳しくない。自衛隊への応募者は2013年、3万5千人だったのが、2017年には2万7千人と減っており、25万人体制を維持するのが困難な様子らしい。

 そこで採用年齢を26歳から32歳に引き上げ、自治体に働きかけて高卒名簿を手に入れたり、貧困学生へ紐付き奨学金を出したり、或いは会社に対しても、予備自衛官を雇ったら法人税を控除するるとしたり、入社後一定期間の自衛隊入隊による新人教育をするよう提案したり、自衛隊での技能資格取得、優先就職斡旋などを考えたりと、隊員集めに余念がない。

 それでも少子高齢化の世の中で、人口減少、ことに兵役に適する年代の若者の減少には如何とも対応し難い。 兵役が志願制のアメリカのように貧困青年を狙った、いわゆる経済的徴兵制度が当座の手法であろうが、それにも限界があり、アメリカなどの要求に応えるには不十分である。

 あとは憲法を改正して徴兵制を引くしかない。こう見てくると、徴兵制が決して遠い将来の夢物語ではなく、冒頭の安倍首相の決意と合わせて考えるならば、憲法が改正されるならば当然その中には徴兵制度が含まれるものと考えねばなるまい。

 つい先日も、木津川計氏の「私は貝になりたい」の一人芝居を見たが、再び同じような市井の人が召集され、上官の命令によって敵兵を殺したばかりに絞首刑になるうというような悲劇を繰り返すことにもなりかねない。それを防ぐためにも、憲法改正を絶対に阻止し、徴兵制が復活するようなことを許してはならない。

 最後に三句をあげておく。

渡辺 白泉 戦争が廊下の奥に立っていた

 寺山修司 身を捨つるほどの祖国はありや

塚本邦雄 春の夜の夢ばかりなる枕頭にあっあかねさす召集令状