トランプ大統領が国賓として来日し、安倍首相がこの上ないサービスをして、ゴルフをしたり相撲を見たり、新天皇と宮中晩餐会をしたりして、安倍首相のやり過ぎに批判的な目もあったのはつい先日のことである。
そのトランンプ大統領は今度は初めて国賓として英国を訪問したようである。当然エリザベス女王主催の晩餐会も行われて、両国間の友好関係がアピールされたようだが、労働党のコービン党首は晩餐会を欠席し、メイ首相の後継者のトップと見られるジョンソン前外相は電話で話しただけで、申し込まれていた面会は先約を理由に断られたそうである。
ロンドン市長も英国の新聞へ寄稿して、トランプ氏が人種差別や外国人への憎悪を煽っているとして、トランプ氏の特別待遇に疑問を呈していたとか。さらには野党や市民らがトランプ大統領の差別的な発言や国際的合意を軽視する姿勢に対する反発のデモもおこったようである。
同じ同盟国でありながらも、歓迎ぶりがあまりにも対照的だったことがわかる。しかし、イギリスが独立した同盟国であるのに対し、日本がアメリカの従属国であることを考えれば、当然の対応であったとも言えるのではなかろうか。
安倍首相が新天皇の初めての国賓として招き、惜しみもなく国費を使い、二人だけのゴルフをしたり、国技館では天皇の貴賓室にも勝る正面升席に特別席を設けて相撲を見せたりして、最大限の媚を売り、米国の求める武器の爆買いや、貿易摩擦解消の譲歩までして大統領のご機嫌を取ったのは、従属国としては仕方がないことだったのであろうか。
同じ同盟国の国賓として招待しておきながら、その対応の仕方がこうも違うものなのかとただ驚くばかりである。米ワシントンポスト紙ですら、安倍首相の対応を痛烈に批判した報道をしており、「世界のリーダーの中でアベほどトランプのエゴを満足させるのに熱心な首相はいない。日本の国民は何故怒らないのだろうか」かとまで言っているのである*。やはり独立国家にならねばとつくづく思わされる。