国民に恥をかかせる安倍首相

 アメリカのトランプ大統領が日本の安倍首相がノーベル平和賞に推薦してくれたことを発表し、安倍首相もそれを認めた。初めはフェイクニュースではとも思われたが、本当であった。トランプ大統領は安倍首相から送られた5ページに及ぶ推薦状の写しを見せたそうである。

 それには日本国民を代表して推薦すると書いてあるそうである。まさかと思うでしょう。ごく一部の人たちは安倍首相のこの行為を支持するであろうが、多くの日本人がこのような知らせを聞いて、どんなに恥ずかしい思いに駆られたか、首相は分かっているのだろうか。

 トランプ大統領は国際協調路線に背を向けて、アメリカ第一主義を掲げ、ロシアとの中距離弾道ミサイル制限条約からも脱退し、せっかく成立していたイラン核合意からも抜けて制裁に復帰するなど、国内国外から反対の声が強い大統領で、およそ平和とは程遠い施策を進めているのにである。

 そんな人にいくら頼まれたからといって、日本国民を代表してノーベル平和賞に推薦するなど、あまりにも軽率ではなかろうか。世界の前で、日本国民に大恥をかかせたようなものである。

 そこまでして、トランプ大統領に忠誠を尽くさねばならないのだろうか。国民の前では居丈高な首相でありながら、アメリカ大統領に対しては、まるで飼われたポチではないか。多くの国民は穴があったら入りたい気持ちではなかろうか。

 それに、安倍首相にしてもトランプ大統領の言うように、北朝鮮からのミサイルが飛ばなくなって、日本国民が安心して眠れるようになったことを認めるなら、何も高額なイージスアショアを2基も買うことはないし、100機を超える戦闘機も要らないことになるのではなかろうか。この矛盾をどう考えたら良いのだろうか。

 同じノーベル賞でも平和賞の場合は多分に政治的な絡みがあるので、安倍首相も親族になる佐藤栄作元首相が貰ったことも考慮に入れたのかも知れないが、それでも国民としては、安倍首相が国民を代表としてでなく、総理大臣個人として推薦したことにして貰いたいものである。