沖縄は日本の半植民地か?

 沖縄は琉球王国として独立国であった。それがヤマトからの侵略を受け、処分されて、約500年続いた王国は潰され、明治になって沖縄県として、我が国に併合されてしまった。

 その後はあらゆる面で、沖縄の日本化が進められ、沖縄の人には日本語が強制され、学校で沖縄弁を使うことを禁止された。産業も内地に統制され、サトウキビなどの栽培を押し付けられ、内地より貧しい生活を強いられてきた。

 その挙句の果てが、あの戦争による犠牲である。戦争では、本土決戦を引き伸ばすために、沖縄戦を出来るだけ長く持たせるようにしたため、住民の犠牲も増え、人口の四分の一が死ぬという悲惨な結果を齎らした。

 そして、戦後は長期間アメリカの統治下にあったが、米軍に銃剣で追われて土地を奪われ、巨大な米軍基地とその活動で、平穏な生活を追われ、米軍の事故や犯罪で苦しめられ、産業発展までも阻害され続けてきた。

 面積で国の0.5%しか当たらない沖縄に、全国の基地面積の70%以上の基地が集中しているが、それには、政府が国内での米軍基地への反対闘争を和らげるために、沖縄に米軍基地を集中させた経緯などのあることも忘れ得ない。

 こうして、長年にわたる沖縄の住民の犠牲や反対を強引に押し切り、米軍に言われるままに協力して基地を維持強化してきたのが日本政府なのである。

 最近の辺野古基地建設のやり方を見ても、内地では出来ないことを政府が金と力で強行しているのは、最近のニュースが示している通りである。政府の対応の仕方は内地とは明らかに違っている。

 本来のヤマトである内地のためには、沖縄を犠牲にしても良いという発想、沖縄は周辺諸島であり、戦争でアメリカに占領された島で、沖縄の住民より日本全体を考えた時には、沖縄を犠牲にしても仕方がないという発想が、未だに政府にもあるに違いない。沖縄を日本の半植民地としてしか見ていないのである。

 那覇に住む女性が留学先の韓国で「我々は日本から解放され、奪われた言葉を取り戻した。沖縄は本当に気の毒だ」と言われたそうである。(朝日新聞2018.12.28、社説余禄、箱田哲也氏)

 「沖縄独立論」という本も出ているが、これだけ虐められれば、出来れば独立して昔の「琉球王国」に戻りたいという郷愁に駆られたとしても不思議ではない。

 同じ国民として、沖縄の人々にも我々と同等な平和で健康な生活を保持する権利があると信じる。沖縄の運命に無関心ではおれない所以である。