カタカナ語

 先日「若者言葉」について書いたが、それで少しは自分の若者言葉などの知識も増えたかと思っていたら、なかなかそうはいかない。

 昨日、新聞の広告欄に「妻のトリセツ」と大きく出ていたが説明が一切ないので何のことかわからない。女房に聞くと「知らないの。取扱説明書のことだよ」と言われた。

 聞いたらすぐに分かったが、昔なら略しても、「取説」もしくは「取り説」とでも書いたところであろう。日本語の良いところは漢字なので、一字でも意味があるので、略して書かれていても元の意味を想像しやすいところである。健康診断なら「健診」、生命保険なら「生保」、特別急行列車なら「特急」という具合に略しても、容易に意味が理解できるので便利だったのである。

 それがカタカナ書きとなると、表意でなく表音になるので、「トッキュウ」と書かれていても、特別急行列車なのか、特別休暇なのか判らない。ましてや、この頃は英語などから来た言葉のカタカナで書かれた短縮系の言葉も多いので、初めての人などには余計に判らない。

「トリセツ」に引っかかっていたら、今度は 今朝の新聞では、LGBTに関する記事で「アライ」という言葉が出てくる。何のことかと思ったら、どうも「アライアンス」(alliance)

の略のようであった。そうかと思ったら、すぐ後で今度は「SOGIハラ」と出てくる。

 こうなるともう元の言葉を調べないと何のことかも判らない。これは英語である。Sexual Orientation and Gender Identity の略で、LGBTセクシャルマイノリティの人たちを指すのに対して、すべての人が持つ性的指向性自認を表す言葉だそうで、それに対するハラスメントを「SOGIハラ」というのだそうである。

 この頃は新聞や雑誌などにも、こういったカタカナ語が多くなった。アグリだのコスパ、オフレコ、コンサルぐらいなら私にもわかるが、どんどん新しいカタカナ語が出て来るので大変である。今はやりのIT関係になると、もうカタカナ言葉のオンパレードである。

 殆どが英語から来ているが、日本的な発音のカタカナ書きとなっているので余計に難しい。ストレージStorageで、アジャイル開発とあるのでどんな開発方法なのかと思えば、agileすなわち敏速な開発方法のことらしい。

 もうこうなると老人にはついて行き難い。ただ、有難いことに、最近はスマホ(これはスマートホンというよりよく通じるが)で簡単に教えてくれるので、労を厭わねば、老人でも何とかついて行けるかも知れないが・・・