統計や図表にごまかされるな

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 この頃は新聞でも他のメディアでも、何でも統計などをグラフにして表示して見せてくれることが多い。グラフにして視覚に訴えると、直接目に飛び込んでくるのでわかりやすいので有難い。

 ただ、こういう便利なものも、時に注意しないと、頭に入り易いだけに、誤ったグラフや図を見せられて、つい誤魔化されてしまうとにもなる。明らかに誤った図表や、注意して見ないと誤魔化されそうなグラフなどもあるので注意が必要である。最近インターネットで見て驚かされたのが、上に示した円グラフである。

 IR誘致に賛成か反対かの意見の統計の円グラフで、どのテレビで見せられたのか忘れてしまったが、明らかに誤ったグラフで、注意して見るとすぐわかるのだが、数字と円の分割の仕方が合っていないのである。しかし、注意して見ないと見誤りそうな円グラフである。

 この間違ったグラフを見せられても、テレビの音声は数字しか言わないので、反対が42%と言われても、視覚による印象の方が強いので、目で見ている方は3分の1程度しかいないのかというように思えてしまい勝ちである。人々に残る印象はかなり違ったものになりかねない。

 後で訂正があったのかどうか知らないし、この誤りが意図して作られたものとは思いたくないが、グラフや図を見せられても、こういう誤りもあることを知っておいた方がよさそうである。テレビでも思いもかけないことがあるものである。

 こういう誤りは、意図的になされたとしても、注意して見ればすぐわかることだし、公的な発表などでは誰かが直ぐ気付くであろうが、もっと注意すべき重要なことは、政治や社会的に使われる統計などであろう。

 ここでは、図表などを作るより、もっと以前に、その元となる実態や統計などを操作して自分たちに都合の良いように操作して作られた統計として出されることが多いので、むしろ、常に一度は疑ってかかった方がよさそうである。

 一例を挙げれば、冒頭に掲げた下の方の図は安倍首相のいう、安倍内閣によるGDPの伸び率の線グラフであるが、このようなものは、その元になる統計の操作によって、いくらでもとは言わないが、かなり変わったものにもしうるものである。

 国会審議のテレビ中継などを見ていても、始終、問題になった書類や説明が、一旦出されたものが引っ込められたり、訂正されたりしているのを繰り返していることからも容易に想像できるであろう。

 猜疑心の塊のような人間にはなりたくはないが、簡単に騙されていいように利用されるのも腹の立つことなので、いつもそこそこの疑いの目を持って見ることはやっぱり必要なようである。