嘘つきは病気か

 
 SNSを見ていたら、たまたま「虚言癖、嘘つきは病気か Dr.林のこころと脳の相談室 特別編」という精神科医の書いた本のレビューが出ていた。
 大抵の場合、人は必要の駆られて仕方なしに嘘をつくが、始終嘘をついて、嘘つき、虚言癖ないし虚言症と言われるぐらいになると、嘘をつくことが癖になってしまい、行き過ぎると、だんだん病的になってくるようである。
 レビューによると、普通では考えられない嘘をつく人など、「ひどい嘘つきは病気なのか」に答えて、このような人たちは病気とは言えなくても、ある種の「パーソナリティ障害」とでも言えるのではないかということらしい。
 自分の価値を誇大的に評価し、他人からの賞賛を求める「自己愛性パーソナリティー障害」、自分が常に注目されていたい「演技性パーソナリティー障害」、対人関係、自己像、感情が不安定で見捨てられないかと不安になり、人への信頼や罵倒が極端になる「境界性パーソナリティー障害」、あるいは自分のことしか考えておらず、法律や規則を破り、逮捕されるような行動を繰り返す「反社会的パーソナリティー障害」などといった、パーソナリティー障害の傾向が強い人が多いのが特徴だそうである。
 自分でも嘘とわかっているのに、自然と嘘をついてしまうことを繰り返しているうちに、嘘をついている自覚も薄くなり、そのため他人が傷ついても平気になり、嘘を補うために更なる嘘をつき続けてしまったり、辻褄があわなくても気にならなくなり、どうしても虚言をやめられないということになりやすいということになるようである。
 ここまで読んでくると、嫌でも最近のモリカケ学園問題を含む政局における政府や官僚たちのあからさまな答弁などの嘘を思い出さずにはいられなかった。嘘をごまかすためにまた嘘を重ねて事実を否定するところから始まって、その裏づけの書類を改ざんしたり捨てたりしたかと思うと、事実を嘘だったのだと否定しようとするまで、嘘を嘘で糊塗するまでの嘘だらけである。聞かされるこちらが情けなくなる。
 嘘を嘘で固めて何とか追求を免れようとしている現政権をめぐる嘘は最早「パーソナリティ障害」ならぬ「ガーバメンタリティ障害」だとでも言わねばならないのではなかろうか。この結末をどうつけるつもりなのであろうか。この国の将来さえ危うくなって行きそうである。