駅や車内での中国語やハングルによる案内表示

 Facebookを見ていたら、最近多くなった電車などでの案内表示の中国語やハングルでの標記に文句を言っている人があった。写真は大阪の地下鉄のようであったが、最近の駅や電車の表示には日本語に続いて、英語、中国語、ハングルが順に出てくる案内がある。

 それに対して、その人が書いているのは、「御年寄が狭い駅の電光掲示板の前で中国語や朝鮮語が日本語に変わらず(*日本語表示が出るまで*)立ち尽くす光景をよく見かけます❗️電車に乗り遅れるばかりで無く非常に混雑した人口密度の高い駅の中で身体がぶつかり怪我をして居るのです‼️日本國民が迷惑して困っているという切実な願いが何故国土交通省に届き改善されないのかサッパリ理解出来ません。」という文章で、それに対するコメント欄には他の人が「次の駅どこか全く分からない。本当にやめてくれないかな?英語併記すれば事足りるだろ」「日本人が読めない、聞いてもわからない国民の生活を不便にして何をする気?」などと書いている。

 最近は観光日本というかけ声のもとで、政府も地方自治体も観光に力を入れており、事実、観光客も増え、心斎橋通りなどでは「今日は」というより「ニーハオ」といった方が通じるぐらいに中国や韓国からの観光客が増え、殊にデパートや薬、化粧品の店などが潤っているようである。

 大阪だけでなく、どこの街を歩いても、電車に乗っても、外国人を見かけるのが当たり前になってきた。私の住んでいる池田市でも、中国人の団体客がラーメン博物館などに来ているのを見かける。これだけ外国人、ことにアジアからの観光客が増えれば、当然それらの客に対する対応も必要になるので、どこでも中国語やハングルでの表示や説明が多くなっている。

 上記の人はどうも地下鉄の駅や車内での案内板の表示で、日本語が英語、中国語、ハングルと順に変わって行くので、それらの表示の途中で日本語が出ていない時のことを言ってられるようであるが、そんなに長い周期で変わるものではないし、さらに中国語の時なら簡体文字なのである程度想像がつくことも多い上、同じ漢字のこともあるので、そのために電車に乗り遅れたり、困ることは実際にはあまり起こらないのではなかろうか。また人混みの中で、そのために人とぶつかったりする危険性を言うならば、スマホを見ながら歩いている人の方がはるかに問題であろう。

 折角、外国からのお客さんが大勢来てくれるのだから、もっと色々サービスをして、お金を落としてもらうように努力することの方が大事ではなかろうか。観光客といっても8割ぐらいはアジアからの人たちだからそこに焦点を当てるのが当然であろう。

 そうとすれば言葉の問題は大きい。英語だけでは間に合わず、一番多い中国人や韓国人に焦点を合わせて対応し、なお余裕があるなら、需要に応じてベトナムやマレーシア、インドネシアその他の国の言語にも対応して行くべきであろう。

 上記の様な表示のおかげで日本人が大そう不便になったと考える人は少ないのではなかろうか。日本人の観光客なら、上記の様な表示でも多くは一瞥で判断出来るだろうし、他にも多くの表示があるし、他人にも聞けるので判断材料が得やすいであろうから、短時間だけ日本語の表示が切れたからと言って実際に困る人が出るとは考えにくい。

 おそらく文句を書かれた方は中国や韓国が嫌いなのではなかろうか。私などは書かれた中国の簡体文字やハングルを見て、日本語と比べられるので、ゆとりのある時には興味津々で、眺めては少しづつ中国の簡体文字やハングルを覚えたりするのを楽しみにしている。少しでも会話が出来るようになったらもっと楽しいだろうにと思ったりもしているが、おそらく大勢の中には外国人、ことに隣国の人をあまりよく思わない人もいて、こんなことにも文句の一つも言いたい気持ちになる人もいるのであろう。

 将来のことを考えれば、どうかするとこの島国に閉じこもりがちな日本人も、もっと広い心を持って、他所の国の多様な人々とも一緒にやって行くことを考えなければいけない時代になって来ているのに残念な気持ちがする。それは兎も角、さしあたりは観光立国で、出来るだけ多くの外国人に来てもらい、出来る限りのサービスをして、気持ちよく帰ってもらい、しっかりと儲けさせてもらうのが良いのではなかろうか。