ネットで拾った二題

 最近は嫌でもネットに繋がって情報を得なければならない世の中になってしまっている。毎朝起きたらパソコンの電源を入れて、メールに始まり、FaceBookTwitterなどに目を通している。自分なりに情報を絞っているつもりなのだが、要らない情報を消したり、飛ばして読んだりしているが、結構時間を取られて、何とかもう少し上手に必要な情報にだけ近づけないものかと考えているが、周囲にパソコンに詳しいものもいないので、おそらく随分無駄なことをしているのだろうが仕方がない。

 見る情報のほとんどは役にも立たないで、消すのに時間を取られているようなものだが、いい加減に選択しているからかも知れないが、時には思わぬ話を聞いたり、気の利いた商品にお目にかかったりすることもある。

 今回はそのようにして偶然でくわしたものだが、是非記憶にとどめておきたいなあと思った話を二つ書き留めて起きたい。

 一つはある飛行機の客室での出来事である。短い記事からの転記なので大雑把なことしか書けないが、ある機内で白人の女性がたまたま黒人の男性と隣り合わせの席になってそうである。その女性は黒人を嫌っていたのでキャビンアテンダント(CA)に席を変えてくれるように頼んだところ、CAは機長に聞いてくるから少し待って下さいということだった。やがて CAが戻ってきて、『ファーストクラスに空きがあります。機長は『そんなゲスな客の横で旅を強いられるなんてあり得ない』と言って謝っております」と告げた。それを聞いて我が意を得たとばかりに立ち上がろうとした女性を制して、CAは黒人男性に「どうぞこちらへ」と誘導して行ったという話。

 二番目は、ある小学校での話である。

この学校ではいつも放課後にその日にあった出来事を発表したりする「帰りの会」という 場を設けている由。そこで一人の女子生徒が話したそうである。

「わたしは今日 少し嫌な事がありました。 ◯◯くんとうさぎ小屋の当番でお昼休みに小屋の 掃除をしていたら、 ◯◯くんが掃除をせずに違う友達とサッカーをし て遊んでいました。 『ちゃんとやってよ』 そう◯◯くんに注意すると、ボールを顔に投げられ て鼻血が出ました。 嫌だし辛いし悲しいけど、わたしにボールを投げた 事はもう怒っていません。 一緒にうさぎ小屋の当番をやるはずなのに ◯◯くんがやらなければうさぎさんが可哀想で す。 二人でやればもっとうさぎさんのお部屋をキレイ にしてあげられたのに、 わたし一人でやっていたのでは限界があります。 ◯◯くんだけではなく、みんなもうさぎさんの事を 考えて、 ちゃんと当番の人は責任を持ってやって下さい。 よろしくお願いします!」

  これには先生も「何でうさぎ小屋の当番をサボったんだ。 皆で決めた役割を放棄した上に、 ボールを投げるとはどういう事だ!」かなり強めに声を張り上げてこの男子生徒を怒ったようです。

 ところが翌日、この出来事が大問題へと発展してしまいま す。 朝の職員室。 女性が怒鳴る声が響き渡ります。 「うちの子に体罰をしたんですって!? 大きな声で怒鳴ったら子どもが恐がる事くらい わからないの!? これは体罰よ!うちの子に土下 座して謝りなさい!」と。 昨日うさぎ小屋の当番をサボって 先生に怒られた男子生徒の母親であった。

 学年主任、教頭先生、校長先生を交えての大騒動。 さらに、事実確認を行うために昨日帰りの会で この事実を報告した女子生徒もその場へと呼び出されたようである。 「うちの息子がうさぎ小屋の当番をサボったくら いで なんで怒鳴られるの!?体罰にあたいする事件 よ! この学校は体罰が常習化しているんじゃないです か? 早くうちの子に謝罪して下さい。」 こう強く求める母親に 先生はどうすればいいのか分からず返答に困っていまし た。

 すると事実確認で呼ばれていた女子生徒が この母親に向かって 「◯◯くんのママも私と同じ女の子でしょ?  男の子に叩かれたり、物を投げつけられたりした ら嫌じゃないの? 悲しい気持ちにならないの? じゃあ、悪い事をした◯◯くんを怒った先生が悪 くて 謝らなきゃいけなくて、ボールを投げつけてきて 謝らなかった◯◯くんは謝らなくていいの? そ れを注意したり、ダメだって教えてくれた先生に 怒る ◯◯くんのママは変だと思うよ。」

 その言葉はそこにいた全ての”大人”が ぐうの音も出ない程的を射た言葉であった。母親もそれ以上文句も言えないでその場が収まったというモンスターペアレントの話であった。

どちらにもコメントをつける必要はないように思われるが如何であろうか。