この国はどこへ行くのか

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 安倍内閣森友学園加計学園の問題などによって急速に支持率を下げ、八月に新内閣を発足させたが、野党の追及を恐れて憲法による野党の国会召集の呼びかけにも応ぜず、3ケ月も放置した後に、あらぬ事か秋の国会を開いて何もしないで冒頭に解散、総選挙という暴挙に出た。

 民進党からの離党者が多く、森友、加計問題をうやむやにできるだろうし、北朝鮮問題で危機を煽っているので勝算ありと見たのであろう。ところが小池東京都知事が新党を作り、そこへ民進党の前原代表が民進党を潰して小池の希望の党に合流するという話が唐突に沸き、もうめちゃくちゃな烏合衆参の政治状況となり、選挙を前にして候補者たちが右往左往している。

 有権者がどのように判断するか興味のあるところだが、希望の党という新しい党ができると、自民党よりはマシだろうと思う人もいるし、原発廃止や消費税引き上げ反対に期待をかける人もいようが、希望の党は自らも言っているように保守の党であるばかりか、安保賛成、軍備増強、憲法改正を主張している党であることを認識しておかねばならない。

 小池知事自体が自民党で閣僚も務めた経歴の持ち主であり、右翼の政治団体である日本会議のメンバーでもあり、いつかのSNSに安倍首相と握手をして選挙の時には協力しましょうと行っており、希望の党は第二自民党とも言える自民党の補完勢力であることは明らかである。

 したがって民進党のリベラル傾向の強い人たちを排除した上での民進党希望の党への吸収合併ということになるであろう。その結果として、政界再編で保守の二大政党制を作ろうと言うことのようである。おそらく小沢一郎氏あたりが裏で動いているに違いない。

 それはともかく、こうなれば日本の政界は戦前の政友会と民政党の二大政党制と同じようなことになりそうである。以前の社会党共産党などとの左派と右派との対決の時代は最早過去の話で、今後はどちらに転んでも大差はない二大保守政党が政権をやり取りすることになりそうである。そしてこれらと真に対決するリベラルな勢力はますます片隅に追いやられる構図になりかねない。

 戦前とますます似てきていることが恐ろしい。戦前の政友会や民政党はやがて大政翼賛会に吸収されてしまい、軍部を中心に「一億一心」を唱える独裁政府となり、戦争へと突き進んでしまったことが思い出される。恐らく数を頼りに憲法は改正されてしまい、公然と戦争のできる国になり、秘密保護法や共謀罪で国民は取り締まられ、アメリカへの従属関係を深め、国民を犠牲にしてアメリカのための戦争に加担していくことになるのではなかろうか。

 その先に来るのはどういうことであろうか。戦前と今では世界はすっかい変わっている。独裁的な政府の外国への依存は、いつかは梯子を外されて惨めな破滅の結果を齎す可能性の大きいことも考えておかなければならないのではなかろうか。

 私は最早それまでは生きていないであろうが、長い間生きてきた故郷の国が再び滅亡の目に合うような想像はしたくないが、今の流れの先を見ると心配でならない。