神戸港開港150周年

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 今年は神戸や横浜の開港150周年に当たるそうで、どちらでも色々な記念事業が行われているようである。神戸でも記念の芸術祭などが行われているというので、台風が去った翌日に女房と一緒に出かけた。

 最近はやりの芸術祭なるものは大抵会場があちこちに散らばっているので全部を見るのは困難である。それに面白いものもあるが、つまらないものもあるので、初めから全部を見るつもりはなく、港見物のウオーキングのつもりで出かけた。

 先ずは三ノ宮からポートライナーに乗ってポートターミナル駅で降り、先ずはターミナルの建物内で行われていた展示作品を見た。数人の作家の作品があったが、港らしいレイアウトに世界の海に関したテーマとして、ヨーロッパへ押し寄せるボートピープルや、イスラムキリスト教の相克を思わせる展示が興味深かったが、スマホを介さなくては解らない難点があった。

 そこから歩いてポートアイランドまでの橋を渡り、北公園の海よりの岸辺に並べられた「ひまわり」の作品を見た。40〜50本ぐらいの酸素ボンベの下部を切り取り、バルブの方に鉄製の黄色の花型を溶接して並べたもので、空間が広過ぎて少し迫力に欠けていたが、なかなかの力作であった。

 それを見てから帰りはポートライナーに乗った方が良いかと迷ったが、駅まで少し距離があり、逆方向になるので結局また橋を渡って戻った。今度は西側の歩道を通ったので神戸港の遠景を楽しみながらゆっくり戻ることができた。隣のピアには九州へ行く大型のフェリーが着岸していたが、その船の幅が馬鹿でかいのに驚いた。

 ポートターミナルまで引き返し、そこから海岸沿いに三ノ宮方向に歩き、次の第3突堤をフェリーターミナルまで行き、そこでまた作品を見て休憩、ピアの根元まで戻り、続いて第二突堤をパスして、第一突堤の先端まで歩く。

 第一突堤は2−3年前に来た時にはすでに場屋は何もなく、荒地にような岸壁に作品を展示していたようなことがあったが、その後地下千百メートルのボーリングで温泉が出たとかで、今は立派なホテルが建ち、その先には結婚式場のような瀟洒な建物もでき、ピア全体が生まれ変わって綺麗になっていた。

 その先端に新宮晋のモービルが並べられていたが、あまり新味がなく、広い空間にまばらに並べられた感じで、期待はずれであった。頼まれて仕方なしにに協賛したものであろうか。丁度、芸術祭用の海から眺めるためのボートが近づいたので手を振ったら結構反応が返って来た。

 そこからまた長いピアを根元まで引き返し、さらに高速道路の下もくぐって国道二号線まで北上し、西へ曲がって海沿いに歩き、やっとメリケン波止場の東に入り口にたどり着いた。

 ここで「神戸食の博覧会」をやっているというので昼食を取るべく心積もりをしていたのだが、台風のために中止となっており、用意されていたらしいテントなどもすべて撤去されていて、中止の看板以外、博覧会を思わせるものは何もなかった。

 仕方がないので、川崎の海洋館の上にあるレストランで食事をして一息ついた。食後は最後のエネルギーを使ってカモメリアを通理、モザイクまで行った。メリケン波止場あたりから大勢の若者たちの集団に出くわしたが、韓国の青年団体の日本体験旅行の一団であった。揃って平均的な日本人より背の高い若者ばかりに驚いたが、女房と「韓国人の方が日本人より肉をたくさん食べるからかな」などと呟いた。

 メリケン波止場にも、やなぎみわの作品があったのだが見過ごしてしまい、カモメリアからモザイクあたりは満員の人出で、こちらも歩き疲れていたのでモザイクの南端まで行って、引き返し神戸駅をへて地下道を通って高速神戸駅にやっとに辿り着いた。

 スマホを見ると朝から 16,000歩歩いたことになっていた。帰りの阪急電車で腰掛けてやれやれと息をついた。それでも、天気は良かったし、浜風も適当にあり気持ちの良いウオーキングであった。

 神戸は今回のように港を歩いて見廻るのもよし、後背の六甲連峰の山々で遊んでもよし、その中間のちょっとお洒落な街を散策してもよく、三層になって横長に広がった都会はいつ訪れてもその度にそれなりに満足させてくれる街で、気に入っている。