安倍首相の子供達へのメッセージ

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 このようなメッセージを安倍首相の名前で内閣府が発表したそうである。せっかく政府が子供達に呼びかけるのであれば、政府がこんな風にして子供達を援助するから安心して未来のために希望を持って頑張リましょうというような言葉が良いのではなかろうか。この手紙には政府の施策については何も書かれていない。自分たちで周りの人たちに助けてもらって、自主的に頑張ってください。政府はそれを何もしないが、見守っていますと、あくまで子供の自立を促しているものである。

 それも政府がやらないから民間の人たちが困った子供を助けるために、子供食堂を開いたり、勉強の手助けをしているのに、政府の責任をそれらの人たちに押し付けているだけで、貧しい子供達を助ける手も打たずに、善意の人たちの努力をまるで自分たちの施策であるかのように利用して、無為無策のまま子供にまで自己責任を押し付けているのを見て、多くの人たちが怒りをぶつけているのは当然であろう。

 現在言われている貧困家庭の子供の問題はかなり心配である。日本ほど教育に金のかかる国は先進国ではないそうである。義務教育の小中学校でも、給食費や制服その他学校関係の経費が払えない家庭も多く、高等教育となると公的な援助は皆無に近く、授業料は高く返済不要の奨学金もない。先進国でも教育関係の出費が最も大きいと言われる。

 昔は貧しいよくできる子供の進む道として軍関係と教師の道があったが、今はそれもない。しかも認知資本主義の時代と言われる如く、今後の社会では教育のあるなしによって将来が決められる時代である。会社が学生を育てる時代も終わった。

 そうした中でただ手を拱いて未来を決めるのはあなた自身です。思い切りチャレンジして下さいといっても、チャレンジする機会を奪われてしまっているのである。ただ精神力に訴えるのは昔どこの学校にもあった二宮金次郎銅像と同じであろう。

 軍事費や大企業への減税などを削っても貧困家庭を救い、子供の教育にもっとお金をかけるべきではなかろうか。