近隣国と仲良くしよう

 昨日テレビを見ていたらの内閣府の調査で中国が嫌いな人が83.1%、韓国が嫌いな人が66.4%と過去最高だったそうである。内閣府の調査なのである程度バイアスがかかっている恐れはあるが、大きな傾向としては間違い無いであろう。

 尖閣諸島の領土問題や慰安婦の問題などの政治的な問題に影響されているのであろうが、近隣国なので色々な政治的な問題が起ころのは当然であるにしても、政府間の政治的問題であり、それに引きずられて普通の日本人が近隣の国の普通の人々まで嫌いになるとすれば情けない。

 近隣諸国に住んでいる人も同じ人間である。仲良くしたいものである。何処の国の人も日本人と同じで、良い人も居れば良くない人もいる。歴史や文化が違うので違和感を感じる点もあるであろうが、お互い様である。隣人と仲良くするのは人が生きて行く基本である。

 少なくとも私の知っている限りでは、中国人も韓国人も儒教の影響を受けているし、同じ漢字の文化を持っているので西欧圏の人たちよりむしろ馴染み深さを感じる点も多い。最近観光客の多くなった繁華街などでは言葉を聞くまでは外見からだけでは日本人も中国人や韓国人も全く区別がつかないことが多い。

 上海で混んだ地下鉄に我先にと乗っても車中では我々を老人と知って席を譲ってくれるし、道は親切に教えてくれる。我が家に泊まった韓国の夫妻も父親のようだからとおんぶしてくれたし、飛ぶ鳥は後を汚さずと床から冷蔵庫の中までピカピカに磨いて帰って行った。箕面で見つけた論語の石碑を一緒に読んだのも楽しい思い出になった。

 もともと日本人といっても少なくとも弥生時代以降は大陸や半島からの移住者によった形成されたものだから、かなりの部分共通の祖先に繋がってもいるのである。歴史的に見れば多くの政治的制度も宗教や文化も日本のものは多く大陸や半島にならって作られたものである。

 これまで日本が早く「脱亜入欧」などといって西欧化に成功したので、遅れた隣国に対して優越感を抱いて侵略戦争までしたが、もうその時代は過ぎ去ったのである。今や対等の関係である。GDPでいっても最早中国が日本より上になったし、中国の大きさを考えれば今後もこれが覆ることは考えられない。どう考えても未来のアジアは中国が中心的な役割を果たさなければならなくなるであろう。

 例えそうでなくとも、中国や韓国はすぐ隣の大国であることに変わりはない。現に経済的にも両国との関係はもはや切っても切れない関係になりつつある。政府間の関係改善がどうあろうと、国民同士が仲違いしなければならない理由は何もない。お互いに知らないから政治に振り回されて悪い感情に走り易いだけである。

 幸い中国からの観光客も増えているようである。もっとお互いに知り合って、政府の立場に振り回されることなく、国民同士が仲良くするように努力するべきではなかろうか。中国や韓国へももっと出かけたい。中国は漢字の国なので中国語を喋れなくても漢字で意味の判ることが多いし、簡体文字を何だろうと想像するのも楽しみである。