安倍首相は今度の衆議院選挙の告示直前の党首会談で「この道しかない」と書いて、これまでの安倍政権の政策、ことにアベノミックスを続けていくことを打ち出している。
今の国会の情勢では今度の選挙の結果は余程の奇跡でも起こらない限り自民、公明の連立内閣が続くことになるであろう。それを見越して「この道しかない。皆んなついてこい」と言わんばかりの態度である。
アベノミクスもお金の大放出で円安、株価上昇が見られるが、景気は一向に良くならず、円安で大企業が良いだけで、一般の人たちの生活は物価が上がり、実質給与が減って苦しくなるばかりである。消費税も10%に上げるのを先送りせざるを得なかった。
安倍首相は大企業が儲かればやがておこぼれが中小企業にもまわって、津々浦々までアベノミクスの恩恵が現れてくるというが、時代は変わったのである。少子高齢化で人口減少の社会に昔と同じやり方で経済の高度成長を望めるわけがない。それより膨大な国の借金の将来が思いやられる。
もはや成熟期のこの国では、成長よりも広く国民生活の安定する国を目指すべきではなかろうか。そのためにはアメリカ追随の政治を止め、大企業からの税収を増やし、軍事費を減らし、消費税を上げるのをやめて、中国や韓国など周辺国に対する外交的な努力を強め、平和を維持し、社会保障を充実させるなど、国民生活の安定した社会を確立するようにすべきではないか。
安倍首相の「この道しかない」に乗ってついて行けばどこに行き着くことであろうか。原発を再稼動させ、秘密保護法、集団的自衛権などとますますアメリカへの従属を深め、近隣諸国といざかい、憲法まで変えて、もう一度この国を滅亡に陥れ、国民に再び塗炭の苦しみを味合わせようというのであろうか。
よもやそうなった時に、まさか安倍首相も祖父にならって嗾けた国や民に置を放り出して自分一人逃げ出そうというのではあるまいな。