言葉に注意!だまされないために

 世の中にはうまく人を騙す人がいる。そういう人の言葉につい乗せられてお金を取られたり、怪しげな宗教に入れられたりする人が出てくる。それらに乗せられないためには日頃から常識を養い、物事を批判的に見る習慣をつけておくことが必要であろう。

 他人の話はそのまま鵜呑みにせず、自分で慎重に考えて判断するべきであろう。詐欺などに限った話ではない。政府だって都合の悪いことは誤魔化したいし、何か事を進めたい時には出来るだけ良いことばかりを強調して都合の悪いことは隠そうとする。なにも日本だけに限ったことではない。人間のすることはどこでも似たようなものである。

 それが一番よくわかるのはどこの国でも戦争は決まって「平和のため」と言って始められることであろう。こうして戦争が始まると、自国軍が勝っても負けても百戦百勝と報道される。常に我が軍の戦果は華々しく損害は微小である。敵兵は沢山殺したほうが手柄で、非戦闘員を殺しても「便衣隊」などとして処理される。逆に負け戦の場合には「退却」は「転進」となり、「全滅」は玉砕と言われる。とうとう負けてしまっても「敗戦」とは言わずに「終戦」となり、「占領軍」に国土を乗っとられても「進駐軍」と言って誤魔化された。

 お国のために空襲でも逃げてはならぬ法律まであったのに、死んだり焼け出されたりした人には補償もない。兵隊さんが助けてくれると思っていたのに住民は邪魔になると危険なところへ追い出されることさえあった。

 戦時だったからではない。今でも同じである。選挙で選ばれた政府だから何でも国民のためにやってくれるだろうと思っていても、原発は再開するというし、秘密保護法で大事なことは隠されるし、憲法まで変えられようとしている。

 国と国民は同じではない。国というのは政府の事で、政府は国民のためではなく政府に都合の良いように権力を行使しているのである。政府に都合の悪いことは誤魔化したり隠そうとする。従って政府の言うことはじっくり考えて判断しないと誤ることになりかねない。国のためというのは国民のためと同じではないことを銘記すべきである。

 政府がよく言う国際的貢献なども国際的といえば多くの国をイメージしがちだが、本当はアメリカ一国のためであったり、アメリカの同盟国を意味するわけで、決して広い国際的関係の意味ではない。

 秘密保護法や集団的自衛権など次第に戦前の道に似た危険な世相が作られかけてきているので、言葉には気をつけて内容を確認した上で、個々の政治の流れにも注意を払い、二度と過去の悲惨な運命を繰り返さないように注意し、まだ声を出せるうちに声をあげていくことが必要であろう。