Post SUN77展・5

 

 60歳の頃から30年以上も続いてきたSUN77展が終わったのが、まだつい昨年のことの様に思えるが、、記録を見ると2019年だからもう5年も前のことになる。あとに残された多くの資料の中には、まだまだ捨て切れない作品も残っているので、それらをボツボツ記録しておこうと言うのがこのPost SUN77展であり、それも今回で5回目となる。

今回は題して「幻の冥宮」。ご賞味あれ。

東京都知事選挙の裏

 今回の東京都知事選挙の結果は衝撃的であった。現職の小池知事に野党のおした蓮舫氏がどこまで迫れるかと思っていたのが、蓋を開けてみたら小池知事が3選されたのは仕方ないとしても、まさか蓮舫氏が2位でなく、泡沫候補の一人と思って気にも止めていなかった石丸伸二候補にも破れて3位という結果になったのには驚かされた。

 SNSを見ていると蓮舫さんの街頭演説風景ばかりなので、大勢の泡沫候補がいるのはいつものことなので、蓮舫氏がどこまで小池氏に迫れるかだけがが関心の的であったので思わぬ結果であった。

 小池知事は私的、公的に種々の問題を抱えているので、選挙中は出来るだけ外に出るのを控え、候補者同士の討論会にも出ず、本人の過去の履歴や、種々の問題点にも一切頬被りを決め込んで、もっぱら手なづけたマスコミやメデイアに依存して、表面に出ずに運動していたようである。

 したがって、投票日までは石丸氏についてはどういう人物なのか全く知らず、小池・自民党陣営が送り込んだ泡沫候補の一人ぐらいにしか思っていなかったので、その人が蓮舫氏を抜いて162万票を獲得して2位につけたことはある意味衝撃的であった。

 石丸氏について調べているうちに、彼が故郷の広島県の田舎の市で、市長となり、Twitterなどの「切り抜き動画」で格好の良いところばかりを載せて人々の関心を寄せ、政策などは二の次で、議会などと鋭く対立するなどしていたようである。それが中央の政治家に目をつけられたのか、ある時から東京の見知らぬIT業者に繰り返し自分のyoutubeなどの動画を作らせ、市長の任期を2ヶ月残して、今度の選挙に立候補しているのである。

 どうしてそうなったのかわからなかったが、彼の選挙の選挙対策本部長が萩生田自民党都連会長のやっている政経塾塾長代行の小田全宏氏となっているので、萩生田氏と小池知事の関係から見ても、その線の関与が十分考えられる。選挙事務所開きの時には統一協会の人たちが手伝っていたとか。やはり小池知事の選挙対策の安全弁となっていたことがわかる。

 ただ恐ろしいのは、その石丸氏の支持が二十代では40%にも及ぶことで、政策よりもIT利用の格好良さが大きく影響していることである。選挙後でも、石丸氏は色々な人の質問にもまともに答えておらず、今後どうするのか気になるとともに、こういった「かっこ良さ」だけで中身のない人物に若者が引っかかりやすいことが心配である。

 

武器の援助より和平の援助を

 アメリカとNATO諸国はアジアの日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドまで参加させてNATO会議をワシントンで開いたが、新聞報道によると、そこでウクライナの望むNATO加盟を今はまだ認められないが「不可逆的なもの」として承認することにしたようである。

 ウクライナが以前からNATO加盟を希望しているのに答えたものであろうが、これではウクライナに武器援助をしてやるから、もっと戦争を継続せよと言っているに等しい。

 最近ロシアのプーチン氏はインドのモディ首相との会談で「ウクライナ紛争の平和的解決が早急に必要だ」と共同声明で強調しているし、最近、ハンガリーのオルバン首相がゼレンスキー大統領と会った後に、ロシヤや中国にまで足を伸ばして、プーチン氏や習近平氏らに会って和平工作をしているところである。結果がどうなるかはまだわからないが、和平への手がかりを潰してはならない。

 現実を見ても、どう見てもウクライナが勝利して和平が訪れるなど考えられないのに、米国やNATOはまだまだウクライナに戦争を続けさせようとするのだろうか。欧米諸国が武器援助をして代理戦争をやらせるにしても限度がある。

 代理戦争でアメリカをはじめとする欧米の軍事産業は儲かるかも知れないが、ウクライナの国民のことを考えるならば、もうこれ以上に戦争を続けさせるべきではないだろう。戦争による直接〜間接的な被害は戦争が長期化すればするほどひどくなるであろう。

 この和平のムードを潰すために、ロシアがウクライナNATO加盟反対を和平条件としていることを知りながら、わざわざNATO加盟への「不可逆性の承認」などを打ち出したのであろうが、世界の人々も、恐らくウクライナの人々も、最早、戦争の早期終結を望んでいるのではなかろうか。

 軍事産業や戦争によって利益をうる人々の反対を押し切って、今こそ世界の常識ある人々は折角の和平への萌芽を活かすべく最大の努力を払うべき時ではなかろうか。

国民の健康よりも米軍の利益を優先

 

 沖縄の米軍による婦女子暴行事件を政府が何ヶ月も沖縄県に連絡しなかった問題は、

政府が国民の健康や安全よりも米軍の保護や意向を優先させていることの表れとして、沖縄の人々だけでなく、これを知った全日本人の怒りや反発を買って社会的な問題となっているが、同じようなことは対等でない日米関係、日米地位協定のもとで、ずっと続けられているのである。

 今度は横田基地における高濃度の有機フッ素化合物(PFASを含む)の漏出事故が起こったのに、米軍の要請により政府が非公表に合意して発表しなかった問題が起こった。ショッピングモールの搬入口で発生したもので、推定指針値の5万3千倍もの濃度で約760リッターがコンクリートの地面に漏出したそうだが、米軍によれば基地外への漏出はなかった由である。

 しかも、このフッ素化合物の漏出事故は今回が初めてでなく、2010年以来2022年までに7回も起こっているのである。それを米軍の要請があれば公表さえ控えると言う政府の態度は上記の婦女子暴行事件の場合と同じである。

 度重なる米軍人による暴行事件に関しての沖縄の怒りは強く。日米地位協定の改定が要求されてきているようであるが、当然のことで、これらは何も沖縄に限った問題ではないのである。もはや日米地位協定の改定までいかなければ、再発は避けれないのではなかろうか。

 国民は沖縄の問題として矮小化せず、もっと声を大にして怒るべきである。国民保護は政府の第一の優先事項として責任を果たすべきことである。当然、日米地位協定改定にまで踏み込んで米国と交渉すべきであろう。

 なお、このフッ素化合物は米軍基地以外でも河川や飲料類への混入が問題とされているものであり、大阪でも摂津市ダイキン工業からの漏出が以前から問題になっている。空港などでは機体の洗浄などに使われているようである。

風呂の入り方

 日本人は一般に風呂が好きである。いくら遅く帰っても風呂に入らないと一日が終わらない様な人もいる。しかし、私は子供の頃からあまり風呂が好きでなかった。いつもせっかく風呂に入ってもすぐ出てしまうので。百数えてから出なさいと言われ、「だるまさん転んだ、だるまさん転んだ、・・・」と早口で唱えて出たりしたことを思い出す。

 昔は風呂をいちいち沸かさなければならなかったので、家族が風呂へ入るのは大変な作業であった。一旦沸かしたら、家族全員が順番にその同じ湯船に入るのが普通だった。まだ戦前の家族制度の時代には、先ずは一家の主人が入り、次いで男性どもが入り、女性や子供は後から入るのが普通であり、大家族などでは皆が入るのに時間がかかり、お湯がぬるくなるので、途中で追い焚きをしなければならなくなったりすることもあった。

 皆が同じ風呂に入るので、体を洗ったりするのは湯船の外の洗い場で行い、お湯を体にかけて石鹸などを流してから湯船に入るのがしきたりであった。湯船に浸かっている間はなるべく静かにじっとしていて、後で風呂を使う人のために、お湯を汚さないようにするのもエチケットであった。

 しかし戦後の高度成長時代となり、各家庭で手軽にお湯が利用できる様になり、風呂もいちいち沸かさなくとも手軽にお湯が利用出来るようになると、次第に各個人個人が自由に好きな時に自分だけの入浴を楽しむことが出来る様になり、人々の入浴の形態も多様になってきた。

 今では各人が自分だけのために自由にお湯を使えるので、自分個人に合わせて入浴することが可能になったので、朝にシャワーで体を洗う人もいるし、夕方ゆっくりお湯に浸かって長風呂を楽しむ人もいる。湯船に浸かるにしても、一人で占有出来るので、お湯の中で石鹸やシャンプーなどを使うのも自由だし、シャワーだけで済ますのも良い。流せば後の人の心配をする必要もない。自分の好きなように入浴を楽しむことが出来るようになった。

 人によっては朝シャワーを浴びると気分転換が出来、爽快な気分になれるので、それを好む人もいるし、やはり風呂は夕方に一日の締めくくりとして、ゆっくりと湯船に浸かって手足を伸ばし寝そべってつ長風呂を楽しまなければ、という人もいる。

 風呂のあまり好きでない私のやり方は、冬はやはり湯船に浸からないと温まった感じがしないので、あらかじめお湯を張り、その中に浸かって石鹸で身体中を洗い、後しばらくゆっくり体を伸ばしてお湯に浸かり、最後にシャワーを浴びて出るのを普通にしている。

 しかし、夏になると睡眠中に汗をかくこともあり、時間があればなるべく起き掛けにシャワーを浴びて、汗を流すと気持ちが良いので、そうしていたことも多かったが、最近はもっとズボラな方法があることを知り、今はこれを用いている。

 最近の我が家の風呂には、予め適量な湯を溜めてくれる機能があるので、朝のルティーンの合間にスイッチさえ入れておけば、いつでも湯船に浸かれることに気づき、シャワーより簡単なので、もっぱらこれを用いるようになった。これだと、すぐに湯船に浸かって汗を流せるし、シャワーヘッドをいじったり、湯が飛び散るのを心配する必要もないし、体を動かさなくても全身が洗えるし、済めばさっと出られるから快適なのである。

 入浴などというプライベートのことなので、あまり他人の様子を聞いたり、話し合ったりすることもないが、果たして、皆さんはどんな入浴をしてられるのでしょうか。何はともあれ、寒い冬などに老人が風呂でひっくり返って死んだ話をよく聞かされて来たが、くれぐれも、寒いからと言って、急に暑い風呂に飛び込むようなことは避けて欲しいものである。

 

 

 

SNSの怖さ

 東京都の知事選挙だというのでSNSでその様子を見ていると、現職の小池知事は全くと言って良いほどSNSには姿を見せない。隅田川からかの船上からの呼びかけを一度見ただけであった。

 それに対して、革新陣営の蓮舫候補者の選挙活動は、日とともに街頭演説に集まる人の数も増えるようだし、これまでの選挙では見られなかった街頭でのポスター提示の宣伝による個人的な応援なども目立ち、思いの他、盛り上がっているようで、この調子でいけば、あるいは蓮舫さんが勝利するのではないかとさえ思われるような情勢に見えたが、蓋を開けて見ると、小池知事の圧勝で、蓮舫氏の得票は小池氏の半分にも届かず、広島県のどこかの市長をしていたという石丸氏が2位で、蓮舫さんは3位という結果であった。

 これを見てつくづく思ったのはSNSの恐ろしさであった。私が見ていたSNSの画面では蓮舫氏の応援演説ばかりで、他の選挙関係の情報は殆どなかったといっても良い。連日、蓮舫氏の街頭演説で無数の人々が色々なターミナルなどに集まる大群衆となって蓮舫氏の演説を聴

くといった図式が、これでもかこれでもかと言わんばかりに繰り返され、他の候補者についてはほとんど出てこない。これではひょっとしたら蓮舫氏の勝利もありうるかもとの感じを抱かせるほどであったが、蓋を開けてみると現実は厳しかった。

 SNSは似た情報を見れば見るほど、それに近い情報が優先して出て来るようになっているので、見れば見るほど情報が偏ってくることを忘れてはいけない。

 また、今回の選挙で2位になった石丸氏についてはSNSなどを巧みに使って有利に戦ったとされているのに、私にとっては、新聞紙上で広島県のどこかの市長をしていた人物で自民党が対抗馬の票を割るために送り込んできた候補者ぐらいの認識しかなく、こちらから積極的に調べようとしなかったこともあるが、SNSで石丸氏の意見を聴いたこともないし、他からの評判を聞いたこともなかった。選挙についてもそれだけ偏った情報を見せられていたということになる。

 石丸氏については今のところ私は詳しい政策や抱負について何も知らないし、どういう人物なのか判断のしようもないが、その人物よりも、あれだけSNS上で騒がれたと言われる選挙活動についても全くわからないが、若い人たちの情報の取得方法や考え方などをうまく取り込んだ結果のように見えるだけに、その核心を知りたい気がする。

 時代がそれだけ変わってきてしまっているのであろうか。SNS報道の評価、その偏りに注意すべきことに改めて気付かされるとともに、SNSを通じた情報の流れやその影響についてももっと注意を払って観察していく必要のあることを考えさせられた。

危険な「日米一体」

 最近しきりに「日米一体」などということが言われるようになったが、それが如何に将来の危険を意味しているかについては殆ど報道もされない。

 「日米一体」と言っても、日米は決して対等ではないことを知っておくべきである。「日米一体」とはこれまで以上に日本がアメリカに従属することを意味しているのである。指揮命令系統までアメリカの指揮下に置かれ、日本の判断よりアメリカの指示により、日本が指示通りに動くことを強制されることになる訳である。

 対中国のアメリカの政策にも乗せられるわけで、もし台湾問題や中国との矛盾がひどくなった時には、日本は日本の政策よりも、アメリカの方針の下で、その命令に従って、場合によっては中国と一戦さえ交えなければならないことになるのである。

 戦場になるのは沖縄なり、日本本土や中国大陸ということになる。必然的に日本やその周辺は修羅場となり、勝とうが負けようが、多大な被害を受けざるをえない。ここで考えてみよう。アメリカ軍に取っては外地である。第二次世界大戦の時にマッカーサーガ I will returnと言って、アメリカへ逃げ帰った歴史を思い出して欲しい。アメリカは万一不利とあらば、いつでも逃げられるが、日本は戦場にされ、逃げることは出来ない。

 最早、中国は日本が勝てる相手ではない。日本は戦場となり、再び国土は焦土となり國民は餓え死にすることになりかねない。アメリカは逃げられるが日本は逃げられないことを知るべきである。

 そういった未来が明らかに見通せるのに、アメリカの尖兵となって台湾や中国本土に先制攻撃まで仕掛けようというのであろうか。中国大陸の大きさや中国の発展と、日本が小さな島国であり、食料自給も出来ない国であり、人口減少の高齢社会である上に、海岸線に並んだ原発を見れば、日本が攻撃されれば、いかに酷い目に遭うかが容易に想像出来るではないか。

 アメリカは遙か彼方の太平洋の向こうの国である。日本がどうなろうと困ることはない。

そんな素人にも明らかな事なのに、日本政府は嬉々としてアメリカに従おうとしているのである。他方、戦争の防止に必要不可欠な中国との外交交渉は落ち込んだままである。最近の相互往来でも、政府関係者の往来は台湾への百人単位に対して、中国へは十人単位しかないとか言われている。

 「日米一体」を押し付けられても、対中外交は日本の生存のために不可欠なものである。アメリカは米中対立の中でも、対中外交にも力を入れている。日本もせめて中国と強い外交の絆を作って友好関係を維持すべきである。そうでなければ、本当にこの国の終わりが来てしまうのではなかろうか。

 将来が本当に心配である。