アイシャツ

 SNSを見ていて驚いた。アイシャツとあるので何のことかと思ったら、ワイシャツのことだった。ところが、その人だけの誤りか間違った思い込みかと思ったら、グーグルで引いてみると、アイシャツとしてワイシャツのことがずらりと並んでいて、広告まである。

 近頃はワイシャツのことをアイシャツというのかとびっくりして、ワイシャツの項を引いてみると、こちらも同じように沢山ワイシャツの記事が並んでいるので安心したが、アイシャツという言い方も今では広く使われているような気配である。

 もともと、ワイシャツは明治の初めに、外国人が背広の下に来ていたシャツを何というのか聞いた時に、White Shirtと答えたのをワイシャツと聞いたのが始まりで、ワイシャツとかYシャツと言われるようになったものらしいが、それがこの頃では、さらに進んで「ワイ」が「アイ」に変化しつつあるのであろうか。

 アイシャツでは、元の白が藍に染まってしまうようで、私は引っかかってしまう。でも、この頃は藍色のワイシャツを着ている人だっているのだからそれでもいいのかも知れない。日本では以前から色に関係なく、背広の下に着るシャツをワイシャツと定義してきたようなものである。

 「ワイ」という発音が「アイ」に変わっていく傾向はよくわかる。私の子供の頃は玄関は一般に「ゲンクワン」と発音されていたし、蝶々は「テフテフ」と書かれていた。言葉は時代とともにどんどん変わっていくものである。

 しかし、ワイがアイに変わると、猥談も愛談になるのかとふと思った。