カザルス弦楽四重奏団

 川西市のみつなかホールで、カザルス弦楽四重奏団の演奏を聴いた。自宅からは川を渡った先の兵庫県になるが、歩いて15分ほどの近くに700人程も収容出来るホールがあるのは有難い。そこの会員になっているので、案内を見て、時々演奏会や映画などに訪れている。

 カザルスというのはカタロニアの世界的にも有名なチェロ奏者であり、戦争に反対した平和主義者でもあり、彼が編曲したカタロニアの民謡である「鳥の歌」は戦後、国連やホワイトハウスでも演奏され、その折にカルザスが「カタロニアでは鳥はピース、ピースと鳴くのだ」と言った話は有名で、今も語り継がれているようである。

 今回の四重奏団は、そのカザルスと共に「鳥の歌」を編曲したラモン・トマスの息子兄弟がチェロとヴァイオリンを弾き、あと女性のヴァイオリンと男性のヴィオラという構成であった。

 まず最初にこの「鳥の歌」が演奏されたが、これがなかなか良かった。哀愁を帯びた歌で、殆どの人々が心から反戦平和を願ったあの戦後の時代の雰囲気にに引き込まれ、心を揺さぶられるような感じがした。

 その後は、ハイドンのクラシックな感じのする四重奏とベートーベンの四重奏が続き、休憩を挟んで、モツアルト、ベートーベンと弦楽四重奏をたっぷり聴かせて貰え満足出来た。

 私は音楽のことには無知であるが、ハイドンモーツアルト、ベートーベンと同じ弦楽四重奏を続いて聞くと、これらの巨匠たちの音楽の違いがわかる気がした。ハイドンは古い宮廷音楽を思わせるし、モーツアルトはさすがモツアルトと言われる如く、優雅で柔らかく達者だとでもいう感じに対して、ベートーベンはやはり勇ましい感じとでもいうべきであろうか。

 何はともあれ、歩いて行ける所で、気軽に本格的なクラッシック音楽を聴けることは年寄りにとっては、何よりも有難いことである。