アマゾンの熱帯雨林の火災

 最近アマゾンの熱帯雨林の火災が問題になっている。地球上の酸素産生の20%にも及ぶと言われる広大な地域の火災で焼失する雨林が、近年大きくなっており、地球の温暖化にも影響してくるので、それを抑えるよう国際的な問題として取り上げられているとか新聞に出ていた。

 その原因が、最近のブラジル大統領による景気回復のための、アマゾン開発計画であるとも言われており、ブラジル政府も鎮火のために軍隊を派遣するようなことも行なっているようだが、環境保護団体などが非難しているものの、簡単には解決出来そうにないらしい。

1月から8月までの焼失面積だけでも九州より広く、すでに昨年の1年分を超えた由であるが、

 もともとアマゾンの熱帯雨林は原住民の焼畑農業で、昔から人為的に燃やされてきているものらしく、住民によると、「野焼きをしないと私たちは生きていけない」と憤っているそうである。 

そこへ開発業者が入り込んで不法伐採なども行われ、余計に事情が複雑化しているようなこともあるらしい。また気候変動の影響もあって、自然災害としての火災も加わっているとかである。

 もともと、こういう広大な熱帯雨林では、植物による酸素産生も大きいが、繁茂した植物があれば、その朽ち果てた枯れ木や代謝産物も多くなり、それを処理する動物や微生物による炭酸ガス発生も多く、焼畑農業も加わり、大森林が必ずしも大きな酸素供給源になっているわけでなく、酸素産生の効果はそれほど大きくないという説もあるらしい。

 詳しいことはわからないが、先進国がブラジルなどの熱帯雨林開発に反対するのは果たして妥当かどうか疑問に感じないわけにはいかない。先進国と言われる国々も長い歴史の中で、林を切り開いて農業を進めた上で、今の先進国となっているのである。先に開発をした先進国が、遅れて開発しようという国にこれ以上開発するなという権利はないであろう。

 地球温暖化の原因が熱帯雨林の開発による縮小や消失であるとしても、先進国のなしうることは開発を妨害することではなくて、自分たちも犠牲を払って後進国の開発による負の結果を分かち合って、先進国、後進国に関係なく、ともに協調して地球温暖化対策などを含めて、地球規模の対策を考え、実行するより他ないのではなかろうか。

 先進国が先に荒らした地球を、後進国に荒らすなということは出来ない。地球全体でともに考え、ともの工夫し、絶えなばならぬことにはともに耐え、平等に対策を講じるべきであろう。