気になる「令和」の字

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   先に新元号の「令和」を菅官房長官が発表した時、テレビで見ていて、「令和」の「令」の字が気になったので、その時のブログにも載せたが、最近見ていると「令和」の文字をそれに倣って書かれているものをしばしば見かける。

 小さいことだが、初めて見た時から気になって仕方がないのは、「令」の字の最後の縦線の終わりを跳ねていることである。今は漢字の細かい点には寛容で、跳ねても跳ねなくても、どちらでも間違いではないが、最後の5画目の縦線の下を跳ねる日本語の書き方は見たことがない。4画目の鈎状の終わりを跳ねて、5画目の最後もまた跳ねることはないだろう。

 どうでも良いのかも知れないが、4画目、5画目の両方を跳ねているのは活字体には勿論ないし、筆記体でも見たことがない。両方とも下で跳ねられていると、見た目にも格好が悪い。やはり5画目は下で抑えて止めるか、細く引っ張って浮かして止めるかであろう。

 政府として示す字なので、どうしてもこれが正しい元の文字だということになり、これを真似た書き方が出てくると嫌だなと、その時思ったのだが、案の定この頃この文字があちこちで見受けられる。

 活字にはそのような文字はないので問題はないが、上の写真のように送られてきた旅行会社のパンフレットにも同じ文字が印刷されているし、近くのギャラリーで最近された展覧会でも同じ文字が飾られていた。

 官房長官の示した文字のコピーをそのまま使っているのかも知れないが、このあまり格好の良くない文字を誰が書いたのか知らないが、出来るだけ見せて欲しくない。政府が最初にこれだと示した文字なので、どうしても一番正しい文字の手本だということになり兼ねない。この見苦しい文字が流通すると、何だか政府の権威を落とすようで、恥ずかしい気がするのは私だけであろうか。