公衆トイレ考

 最近の日本の公衆トイレはどこへ行っても本当に綺麗になった。何処だったか忘れたが、田舎の、それも山を登った所の、神社だったかの広場にある公衆トイレに入ったことがあったが、そこにもウオッシュレット付きの便器が備え付けられていることにびっくりしたことがあった。

 ただ、都会の駅や劇場などの人の集まる所のトイレでは混雑することが多い。そういう所ではあらかじめ多くの人の利用を考えて、便器も多く用意されているのだが、いくら多く用意してあっても、時間的に利用者が偏って集中するので、順番待ちの長い行列を見ることが多い。

 男子の方はスムースに捌けて、個室は空いたままなのに、女子の方には長い列が出来るのが普通である。いつかテレビだったかで中国の新しい公衆トイレでは、トイレを全て個室にして、男女の区別をなくし、一列で順番に入るようにしたという例が出ていたが、日本でもその方式を利用したらもう少しスムースに捌けるのではないかと思ったが、如何であろうか。

 ただ、最近見ていると、男子トイレでもオープンな方が空いていても、個室の方に順番待ちの列が出来ているのを見る機会が多くなったきた。朝自宅で用を足さずに出かけてくる人が多いのか、ストレス社会で何回もトイレ通いをしなければならない人が多いのか、、理由はわからないが、男子トイレに並んだ人をすり抜けて、朝顔型の便器に向かわねばならないことが多くなった。

 あるいは老人が多くなって、個室を利用しなければならない人が増えたとか、小用も個室でなければならないの若者が増えたことが関係しているのではという人もいるし、ひどいのは、最近聞いた話だが、個室が快適なので用が済んでも中でスマホに夢中になっている人がいるらしく、他人に迷惑をかけていることを知るべきだと怒っている人がいた。

 そうなると個室をあまり快適な空間にするのも問題があるかも知れない。アメリカなどでよく見られるように、個室の下の部分に壁がなく、足先が外から見えるような構造にでもして、あまり長くは快適に止まれないような工夫も必要になるのかも知れない、

 色々と変わった雑多な人もいる大衆が利用するのが公衆トイレである。誰にでも喜んで貰えるトイレを作るのは大変であろう。それでも排泄行為は人にとって必要不可欠のものであるとともに、公衆衛生の問題も絡むので、やはり色々と工夫して、利用しやすい清潔な場所にしていくべきであろう。