映画「カメラを止めるな」

「カメラを止めるな」という 映画を見た。全くどんな映画なのか何の先入観もなく、

女房に誘われて見に行った。

 映画が始まると下手くそなメイクをした役者たちのお粗末ないわゆるゾンビ映画。本当の血とはまるで違う真っ赤なペンキの血や、傷口や切断された肉体のお粗末な出来。それらの人たちのおどろおどろした場面の連続。しまったな。女房も新聞か何かの広告の乗せられたのかな。これは時間の浪費かなという気さえしたが、仕方がないや、最後まで見てやろうと我慢しているうちに前編が終わった。

 これでは短すぎるので、後どういう展開になるのかなと、引き続き見ているうちに前編が劇中劇であり、映画の主題はそういうテレビドラマを作成するスタッフたちのドラマ作成過程のドラマだったことがわかってやらやれする。"one cut on the dead"と名ずけたグループで、初めから終わりまでノーカットで撮影をするということで、題名も「カメラを止めるな」ということになっているらしい。

 今度はそういうつもりで見ていると、撮影の裏場面などをふんだんに入れて、胡散臭い感じのゾンビ映画を表に立てた、結構悪くないコメディ風作品であった。全体として見ても、決して私の好みの内容ではないが、構成が奇抜で、それなりに結構面白いユニークな作品だったとも言えるのではなかろうか。

 ただ私の感じたのは、これだけスタッフが協力し合えるのなら、何もこんな気味の悪いゾンビ映画でなくても、もっと違った対象を取り上げた面白い映画も出来るのではないかということであった。