庭に鶯

 今年は春から毎日のように鶯が我が家の庭にやってくる。今年生まれた鶯なのであろうか。はじめの頃はまだホーホケキョウとうまく鳴けず、鶯ともわからず何やら高い声で鳴く鳥が来ているなという感じだったのだが、そのうちにだんだんとホーホケキョウとうまく鳴くようになって来た。

 姿は一向に見えないが、どこから飛んでくるのであろうか。毎日のように来ることを思えば近くの五月山からぐらいであろうか。たまたま我が家の庭のどれかの木が気に入ったのであろうか。

 毎日朝の8時頃であろうか、だいたい同じ時間頃に鳴き声を聞くので、我が家が毎日の決まった飛行ルートの休憩点の一つになっているのかも知れない。ここで一休みして、序でに一声鳴いて相手でも探そうというのであろうか。でもこんなところで鳴いて果たして相手が見つかるのであろうか。

 ただホーホケキョウと鳴くのは雄が雌に安全を知らすためだとも言われているようなので、もうすでに番いが出来ていて、雌がすでに巣で卵を温めているのかも知れない。

 鳴き声だけで姿さえ確認出来ないので、その鶯の詳しいことはわからないが、気持ちの良い声を聞かせてくれるので歓迎している。いつ頃まで来るつもりだろか。そのうちに雌の子育てもすみ、やがてはどこかへ飛んでいってしまうのであろうか。毎日のように自然と心を和ませてくれる美しい声を聞いていると、ついお礼を言ってこの鶯クンの幸運を祈りたくなる。

 そう思っていたらどうもこれでは、今年は鶯の当たり年なのだろうか。猪名川の河原を散歩していても河原の木の茂みでも鶯が鳴いているし、川とは逆方向の水月公園へ行っても鶯の鳴き声が聞かれた。我が家へくる鶯もこの辺りをテリトリーにして飛び回っているのであろうが、今年はなんだか仲間が増えたような気がする。

 野鳩やカラスが増えるのは必ずしも賛成できないが、美しい声を聞かせてくれる鶯は大いに歓迎である。少しでも長い間ホーホケキョウと可愛い声を聞かせ続けて欲しいものである。