安倍内閣は総辞職するより道はない

 森友問題で公文書改竄が問題になって佐川元理財局長の国会証人が済み、自民党などの右翼勢力はこれで強引にこの問題をうやむやに終わらせてしまおうとしているようである。

 麻生大臣が森友学園問題よりTTP批准の方が大事だと言って、批判され訂正したのもその一つだが、右翼勢力は「北朝鮮問題などの緊急の問題が重なっている時に、森友学園問題にいつまでも関わっているのだ」と言って、世論をそちらに向けて一連の疑惑事件を終わらせようとするのが彼らの作戦のようである。

 しかし、これに乗せられてはならない。内閣支持率が急速に下がったことから見ても、国民の疑惑は深まるばかりで、これで納得のいった人は稀であろう。先日の佐川元局長の国会での答弁を見ても、官邸筋との何らか裏取引をも想像させるぐらいに、「総理夫人や官邸の指示などはなかった」と根拠もなしに明言しながら、改竄やその他の質問については訴訟がらみで一切答えなかった姿勢は返って国民の疑惑を深めたのではなかろうか。

 改竄を誰が指示したかなどの具体的な証拠は今のところ明らかでないが、8億円の土地が1億円に負けて売られた話に安倍首相夫人が関わっていたことは明らかだし、はじめ無理だとされていた売買の条件がある日から神風が吹いたように急に変わった事実があり、それに関連した公文書が全て改竄されたことが明らかになった事実を合わせて考えると、誰もこれまでの政府の説明に納得する人はいないであろう。

 その上過去を振り返ってみても、現政権は森友学園の問題だけではなく、南スーダン派遣の自衛隊の日報問題や加計学園、甘利大臣の収賄事件の不起訴、安倍首相に近い記者の強姦事件の突然の不逮捕、その人も絡んだスーパーコンピュータの詐欺事件など、政権私物化を思わせる官邸の関与が絡んだ疑惑があまりにも続き過ぎて来ていることも国民の信頼を損ねている経過も絡んでいる。

 更には最近、前川元文部事務次官の学校講演についての自民党議員からの介入の事件などもあり、また、ごく最近には国会でないとされていた自衛隊の文書が出てくることも起こり、疑惑を深めるようなことが次々と続いているのである。

 これだけ揃えば、いくら気の良い国民でも納得できないのが当然ではなかろうか。世界情勢が緊迫しているのであれば、先ずすべきはこの問題をうやむやに終わらせることではなく、一刻も早くこの責任を取って内閣が総辞職し、新たな体制を早急に立て直して、この問題を解明し国民の疑惑を晴らした上で、政治的な諸問題に対処するのが当然の道筋ではなかろうか。

 もはや現政権の命運は尽きたのではなかろうか。安倍内閣には最早一刻も早く辞めてもらうべきであろう。次期政権を誰が担おうと、最早ここで体制を入れ替えなければ、切迫した内憂外患にも対応出来ないのではなかろうか。