日本の女性よ、声をあげる時だ!

 ご承知のように昨年あたりからアメリカで有名な監督がセクハラで女性から告発され、それがきっかけで次から次えとセクハラ被害にあった女性が声をあげるようになって、 #Me Too運動としてアメリカだけでなく世界中に広がりを見せていおり、韓国でも言われているそうだが、日本ではなかなか盛り上がらないようである。

 丁度そんな時に、伊藤詩織さんという若い記者が就職の依頼で、元TBSの記者で安倍首相の伝記を書いた山口敬之氏から準強姦されるという事件が起こった。酒の上でホテルに連れ込まれて性的暴行を受けたらしく、彼女が告発し、逮捕令状まで出て、警官が空港で出迎えて山口氏を逮捕することになっていたのに、突然警察の上司からの命令で逮捕が見送られ、不起訴となったそうで、官邸からの差し金で事態がいがめられたのではないかと言われている。

 彼女は自分から名乗り出て、検察が取り上げないので、”Black Box”という本まで書いて告発しているが、返って種々な嫌がらせなどもあり、今はロンドンに避難しているとかである。はじめは日本の週刊誌などには絶好のネタだと思ったが、予想に反して日本のメディアは政府に忖度してかほとんど報道しない。

 しかし、アメリカやヨーロッパでは広く取り上げられ、ニューヨークタイムズなどでは一面と八ページを使って大々的に取り上げ、山口氏への聞き取りまで行い、セクハラ問題の日本の後進性が非難されてもいる。

 このような世界的な#Me Too運動の広がりから見ても、安倍首相との関わりを別にしても、日本でもこれに呼応して、セクハラに対して女性が声をあげる絶好のチャンスだと思うのだが、日頃元気な女性たちはどう思ってられるのあろうか。こういうまたとない世界の潮流を見て、それを利用しない手はないと思うのだが、どうなっているのであろうか。

 まだまだ男社会の日本では未だに被害者である女性が返って落ち度を非難されたりして男性が罰せられることが少ない状態が続いているが、こういう機会に世界に和して声を大に叫ぶことが、特に遅れたこの国の男性社会の老弊を打ち砕いていく一里塚になると思うのだが、どうだろう。

 私も心から支持する。日本の女性よ、このMeToo運動にも乗っかって声をあげよう。皆でもうセクハラを黙認する時代の終わったことを知らしめるべきではなかろうか。