疑惑の多すぎる安倍内閣

 昨年は「忖度」と言う言葉が時の言葉になったぐらいに、森友学園加計学園をめぐる安倍内閣の関与が国会でも大きな問題となって追求されたが、いまだ解決していないどころか疑惑はますます深くなっているのに、メディアなどに手を回したのか、最近のテレビや新聞はもうこれらについては殆ど報道しない。

 最近の一部の右翼の論調では北朝鮮の核やミサイルの問題などを取り上げて「モリカケ」問題を小さな問題として片付けてしまおうとする傾向もある。しかし、この問題がまだ決して解決していないばかりか、その他にも安倍政権をめぐる解明されねばならない疑惑の問題がいくつもあるのである。

 その一つはモリカケ問題が議論されている時から、これが本命だとさえ言われて来た千葉県の成田に新設された国際医療福祉大学医学部の設置にまつわる問題である。これもいわゆる国定戦略特区で出来た大学であるが、この学校の理事長も安倍首相の友達で、元の自民党渡辺美智雄氏の秘書をしていたことのある人物でもあり、これまでいくつかの病院の買取で辣腕を振るって来たという人らしい。

 この大学の設立にあたっては、医者の需給が余っているので日本医師会などが反対していたので、従来の一般臨床医を要請するものではなく、国際空港の地の利を生かした特殊なものを作るということで、特区の始まる以前から理事長が会議に出席しているところなど加計学園のケースとよく似ている点もあるのだが、特殊な医師の養成するのだと言いながら、千葉県とは地域医療の貢献の約束をするなど矛盾した行動をとり、医学部を作ってしまえば仕舞いだというような乱暴なことをしている点など、政府の裏の関与がないと出来ないようなことが積み重ねられていたようである。

 次には、日本では新聞もテレビも報道しないが、外国ではニューヨーク・タイムズもフランスのフィガロも、さらには北欧の新聞などまで、世界中で報道されている山口某記者の準強姦事件である。被害者がカミングアウトして告発し、逮捕状まで出て警察官が空港で待ち伏せまでしていたのに上からの命令で急遽取り消され、被害者が本まで出して告発しているが、この山口記者は選挙の前に安倍首相をよいしょした本もで書いている首相に近い記者なのである。

 アメリカでの女性俳優が上司や関係者からの性的嫌がらせを告発したのがきっかけとなりMe too 運動として広く広がって、セクハラが社会的な問題となっているぐらいだから、メディアにとっては格好な素材だと思われるのに、日本ではどこも報道しないのはどういうことだろうか、不思議でならない。おそらくどこかからの暗黙の圧力なり、忖度が行われているとしか考えようがない。

 そうしたところに、今度はスーパーコンピューターの会社を立ち上げ、国から巨額の資金を補助してもらっていた会社の社長が詐欺容疑で逮捕されたが、その男が上記の山口記者と共同で会社を立ち上げるとかで、政府の口利きで、その会社から高級マンションをあてがわれていたということである。ここにも安倍内閣が絡んでいるとか言われている。

 今日はまた安倍首相と一緒に食事をしたと首相と並んで写真をとっている評論家の三

橋貴明いう人が十代の妻に暴行したとして逮捕されたそうだが、すぐに釈放されたニュースがあった。

 いずれの場合も新聞やテレビの報道からの知識がほとんどで、それ以上の詳しいことはわからないが、火のない所に煙は立たないと言われる。種々の疑いの深いモリカケ問題の動向を見ていると、どれも否定するわけにもいかない。

 近代の内閣で、これだけ次々と公私を混同したような利益誘導型の疑惑をかけられた内閣はないのではなかろうか。当然、政府の責任で真実を国民に説明する義務があるであろう。ところが国会での答弁などを見ていても、丁寧に説明すると言いながら、証拠を消して逃げているばかりで、確固たる答弁すら出来ず、官僚やメディアに手を回してはないとし、返答を避けて逃げるだけで疑いは深くなるばかりである。

 国民の委託を受けて政治を行なっている政府がこれだけ多くの疑いを晴らすことなく政治を続けていることを国民がいつまでも許していてよいものであろうか。