沖縄の米軍事故

 沖縄の米軍普天間基地に近接した保育園に米軍の飛行機からの落下物があったというニュースがあったと思っていたら、数日後には今度は近くの小学校の校庭にヘリコプターの窓が落ち、直接の被害はなかったものの飛び散った小石にあったって怪我をした子供がでた様である。

 校庭では多くの児童の授業が行われており、もう少しのことで大惨事にもなりかねなかったところである。当然早速米軍に対する抗議がなされ、当分の間飛行の停止が申し込まれ、防衛大臣も「あってはならないことであり、厳重に抗議する」と言い、米軍に申し入れた。

 沖縄における米軍の飛行機事故はしばしば繰り返され、ここ3年間だけ見ても

15年8月 うるま市の沖合でヘリが墜落

16年12月 名護市の沿岸でオスプレイが墜落

17年10月 大型輸送ヘリが飛行中に出火、東村の民有地に不時着

17年11月 嘉手納きちでステルス戦闘機F35Aのパネルを飛行中に落とした

17年12月 普天間飛行場に近接する保育園の屋根に、米軍機の部品とみられる円筒状の物体が落下(米軍は落下物でないと否定)

などがあり、ついで今回の事故と続いている。

 その都度、政府は一応抗議はしているが、安保条約に基づく地位協定で、いつもそうだが、今回も落ちた窓枠はすぐ米軍に返されるし、一応の謝罪はあっても、米軍は自分らの判断だけでいつも抗議は無視され、飛行も短時日のうちに再開されている。

 政府も米軍に対しては全く弱腰で、一応の抗議をしても、米軍の言うなりに再開を認めてきているのが常である。今回も人命に関わることであり、翁名知事が急遽東京にまで抗議に来ているのに、安倍首相は面会もせずに芸能人との会食に出かけた有様である。

 さらに酷いのは、米軍も認めている今回の事件んいついてさえ、”ネトウヨ”などから「ヤラセ」だの、基地の近くに学校を作った方が悪いのだのと言った被害住民に対する中傷の声さえあったことである。

 米軍は今回も機体の欠陥ではなく人為的なミスだということで、早速飛行を再開させているし、学校の上を飛ばないようにとの要望にも、最大限飛ばないようにすると言う返事だけで飛行をしないとは言っていない。

 米軍機の飛行については、アメリカ国内と同様に、沖縄でも米軍家族の住宅の上では低空飛行しないことになっているが、日本人の家屋についてはそのような制限はなく、日米協定により米軍機はどこをどのように飛ぼうと自由なのである。

 憲法よりも優先する地位協定が変わらない限り、このような状態は変わらないが、日本政府にはこのようなことが起こっても、沖縄の人たちの命や生活を守るために、アメリカとの条約改定に動く気配は全くなく、それより、アメリカに従属することを優先させている。

 こう言う事件の処理の仕方を見ていると、安倍政府が国民を守る国民のための政府ではなく、アメリカに忠実に従って、国民ではなく、アメリカに依存した自分たちの権益を守るための政府だということが具体的にはっきりとわかる。