若者の新語

 先にカタカナ略語について書いたが、その時取り上げたのは名詞ばかりだったが、新聞を見ていたら第二回現代人の語彙調査というのが載っていて、それを見てまた驚かされた。高校生から60代の3130人を対象にしたインターネットでの調査で、最近の新語を含む540語について、意味を知っているかどうかを質問したものである。

 それによると、高校生が親の世代より知っている割合の高い言葉として、「りょ」「わずした」「イミフ」「とりま」「ディスる」などの語が並んでいる。我々老人にはさっぱりわからない言葉ばかりである。「イミフ」は意味不明の略ではないかと想像できたが、あとはわからない。「りょ」は了解したの意味だと聞けばそうかと思うが、「とりま」は「とりまとめる」ということかと思ったら、「とりあえず」とか「まあ」ということらしい。「わずした」とか「ディスる」などとなると説明してもらわなければ理解出来ない。

「わずした」というのはわからないはず、英語のwasから来ているそうで、「勉強した」というのが「勉強わず」になるのだそうである。「ディスる」というのはSNSで見たことがあるが、新聞にも説明が載っていないのでなぜかわからないが、「けなす」意味だそうである。グーグルで調べてみるとdisrespectを略したもので「無礼、軽蔑、軽視」や動詞で「無礼なことを言う」とか「無礼なことをする」などの意味で使われるのだそうである。

 そのほか新聞の記事の中には「ワーママ」(働く母)や「なる早」(なるべく早く)なども載っていたが、「グルチャ」と言うのが「グループでのメッセージのやり取り」と書かれていたが、グループの中でのチャットから来ているのであろうか。

 主としてこれらはSNSのやりとりで使われるうちに生まれて来た新語のようであるが、こうなるともう別世界のようなもので老人にはついていけない。今後日本語がどうなっていくのかいささか心配になり、なんとか美しい日本語を伝えていってほしいものだとは思うが、言葉というものは生き物で、使われているうちに変化していくものだからある程度はコントロール出来ても、大きな流れは成り行きに任せなければ仕方がないであろう。

 もう百年も経てば、この国で喋られている言葉はもう我々には全く理解できない言葉になっているかも知れない。