投票日直前の首相の秋葉原演説

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 今回の衆議院選挙の最終街頭演説でも、安倍首相は秋葉原を選んだ。首相は都議選の時にも秋葉原駅前で街頭演説をしたが、大勢の聴衆から「安倍帰れ」の声を浴びせられ、「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです」と言って一般の人たちからの顰蹙を買い、選挙でも敗退したので、そのリベンジをしたかったのであろうか。

 実際に現地で立ち会ったわけではないので詳しいことはわからないが、現在はSNSなどが色々な映像まで見せてくれるので、文字だけではわからないある程度の臨場感さえ感じさせてくれる。

 今回は、前回に懲りてか、あらかじめ大勢の警備員を配して聴衆をコントロールし、支持者を動員して、特大の「頑張れ自民党」と書かれた横断前を張って、反対のスローガンを首相の側から見えないようにし、前方に支持者を集めて日の丸や旭日旗を林立させ、できるだけ一般聴衆を遠ざけ、反対の声の通らぬようにしていたようである。

 こうなると選挙演説というより、まるで国粋団体の右翼の集まりのような雰囲気になる。支持者に言わせれば、日の丸は国民の統合の象徴だからというが、誰かも書いていたように、「自民党支持者が林立させる日の丸は、国民の統合の象徴ではなく、自分たちに従わない者に対する排除のシンボルに見える。だから気持ち悪く映るんだと思う。」というような雰囲気になっていたようである。

 首相が直接街頭で一般市民に訴えるのであるから、当然出来るだけ色々な考えを持った多くの聴衆に話しかけるべきものであろうが、これでは自分たちに都合の良い人たちだけを囲い込み、それ以外の人たちを初めから排除することになってしまうのではなかろうか。 

 安倍首相は未だに「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです」と言って顰蹙を買った意味が分かっていないのであろうか。自分の政策を多くの国民に説明しようというのではなく、広く国民の声を聞こうとせず、自分の取り巻きだけでことを進めようとする独裁的な方策を取ろうとしていることを示すものである。

 しかも、FBの写真を見て驚かされたのは、日の丸に混じってアメリカの国旗まで何本か見られたのは何を意味しているのであろうか。アメリカとの協定を決める選挙ではなく、日本の将来の政治を決める選挙のはずである。まさかアメリカの植民地として今後ますますアメリカのご意向に従って行きますという方針の表わすためではあるまい。

 選挙の結果からすると、憲法改正で、ますますアメリカへの従属関係を深め、ひょっとすると、特別緊急事態法などで独裁政権が誕生するという恐ろしい事態にまで進んで行きかねない気さえする。

 私自身は百まで生きるとしても後10年、幸か不幸か、子や孫が日本にはいないので、この国がどうなろうと関係がないと言えるかも知れないが、前の戦争やその周辺の惨めな世界を経験して来ただけに、この国の人たちが再び同じような目に遭わされるのは耐えられない気がしてならない。