情けない政府

 最近沖縄の米軍所属のオスプレイがオーストラリアで訓練中に着艦に失敗して墜落し、3名の兵士がなくなる事故が起こった。

 オスプレイはその前にも、沖縄での訓練中に、空中空輸に失敗して墜落したこともあり、日本政府は近々北海道でオスプレイを使った日米の共同訓練が行われることも考慮して、暫くの間オスプレイの飛行を中止するように米軍に申し入れたそうだが、米軍はオスプレイは世界中で飛んででおり、運用上必要で、飛行を中止する理由はないとして引き続きオスプレイを計画通り飛ばしているようである。

 それを聞いて江崎沖縄、北方領土担当大臣は「地位協定をもう少し見直さないといけない」と言ったが、協定見直しに消極的な政権側から見れば、新任大臣の認識不足に過ぎず、大臣も後からそれを否定することになった。

 この大臣は就任早々記者に「国会答弁で立ち往生するのを避けるために『役所の答弁書を朗読する』」と言って問題になったり、首相から飲酒について注意を受けるなどをして、野党の追及の標的にされそうな新人大臣だが、それだけに沖縄問題などについてもまだ素人なので、つい常識的な発言をしたのであろうと思われるが、それこそ常識に叶う正論ではなかろうか。

 日本政府の方こそ、一方的なアメリカ追随で、当事者能力にかけるというべきではなかろうか。国民は政府が国民を守るために、少なくとも独立国家として、オスプレイの飛行禁止ぐらいはアメリカに要求出来るぐらいの強い態度をとって、それこそ地位協定の改定をしてもらいたいところである。

 沖縄の少女殺害事件などの時においてさえも、米軍の軍属の範囲をいくらか変えただけで、地位協定の改定にまでは踏み込めなかったので、あまり期待は出来ないだろうが、国民を守る責務のある政府としてあまり情けない姿をいつまでも続けて欲しくないものである。