共謀罪を作る共謀

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 SNSを見ていたらこんな写真が出てきた。今国会で審議中の共謀罪を推進しようとしている自民、公明、維新のトップの三人の写真である。写真に重ねて共謀罪と文字が入っているので、まるでこの三人が共謀して組織的に憲法にも違反する犯罪を企む「共謀罪」の被疑者の写真の様な感じであった。

 国会の審議からも「テロ等準備罪」などという名称は後からとってつけた看板に過ぎず、「共謀罪」の真の狙いは国民を監視下におき、人々の内面にまで踏み込んで、無理矢理にでも政府の方針に従わせようとするものであることが明らかである。

 戦前の「治安維持法」の復活である。「治安維持法」の帝国議会での審議の時も「これは一般国民には関係がない」と答弁されていた様で、当時の新聞にもその旨出ていた。それが、実際にはどんどん拡大解釈されて、共産党党員だけでなく、最後には政府に反対する恐れのある全ての一般国民が捜査の対象となり、小林多喜二ばかりでなく、多くの無辜の人たちが国家権力によって虐殺されるまでになったことを忘れてはならない。

 今の多くの国民はその苦い経験を知らないためか、未だに一般人には関係がないという政府の口車に乗せられて「テロ対策の法案か」と思っている人も多い様だが、必ずや、やがては我が身にも降りかかってこないとは限らない怖ろしい法案だという認識を持ってもらいたい。朝日新聞の投稿川柳にも下記のものが載っていた。

   ゆくゆくは我が身を縛る縄をなう  埼玉県 水島 正

 十分考え、検討して反対して欲しいものである。「治安維持法」の時代を繰り返し、再び同じ過ちを犯し、普通の人が自分のまともに感じたことすら発言できず、隠しておかねばならない様な世の中には絶対になって欲しくないものである。「後の後悔先に立たず」ということにならないことを願うばかりである。

 写真を見て感じたように、いっそこの共謀罪を作るとすれば、むしろこの写真の様な憲法に違反して人権を踏みにじる様な法案を、共謀してごり押しして通そうとする彼らにこそ適用するのがよいのではなかろうか。