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ゴールデン・ウイークの過ごし方

 今年のゴールデン・ウイークは五月の一日、二日を休めば九日連続の休日となっている。

 我々老人にとっては平日であろうと休日であろうと、ゴールデンウイークであっても、大して変わりはないと言ってもよいが、働き盛りのサラリーマン世代にとっては一年を通じて貴重な最大の骨休みの休日であろう。自分が仕事をしていた頃のことを振り返ってみても、連続した休日はありがたいものであった。

 それでも外国と比べれば日本の普通のサラリーマンではこれが最大で、これ以上の長期休暇を取れる人が殆どいないと言われるから哀れなものである。昔、私は退職時にゴールデン・ウイークも利用して、次の仕事との間に十五日の休日を作ってオランダへ行ったことがあり、自分にとっては人生最大の休暇をとって自慢だったが、オランダで泊めてもらった家でその話をしたら、仕事を始めたばかりの主人の妹が「私はまだ一年目だが一ヶ月休暇をとった」と言われて返す言葉がなかったことを思い出す。

 それはともあれ皆さんはどのように貴重なゴールデン・ウイークを過ごしておられるのであろうか。私たちは五月の半ばから孫の卒業式に出席するためにロスアンゼルスへ行くこともあって、近くの散策や音楽会、展覧会へ行ったり、家で友人と会食するぐらいで、主として家でゆっくり過ごすことにしている。

 テレビで新幹線や道路の混み具合を放送しているのを見聞きしていると、多くの人が家族連れなどで旅行してるのだろうことが想像できる。外国旅行に行かれる人も多いようである。繁華街も満員だし、色々な催し物も花盛りだし、休暇の使い方は千差万別であろうが、それぞれ好きなようにせっかくの休日を有効に利用してもらいたいものである。

 ところで、四日にテレビの高速道路情報を聞いていてちょっと驚いた。明日の夕方ぐらいから上り線の渋滞がひどくなるようなことを言っていた。始めは何気無しに聞き流していたが、明日はまだ五日で金曜日である。まだ土、日と二日も残っているではないか。混雑するのは早くても土曜日ぐらいからでもよいのではないかと不思議に思えてきた。

 何故だろう。九日間をまるまる使って旅行する人は案外少ないのかもしれない。そういえば昨年信州の高原に行った時、旅行会社のパンフレットにたった四日間なのに長期滞在型と書いてあったのを見ても、同じ所に一週間も泊まる旅行は日本では流行らないのかもしれない。

 お金もかかるし、家族連れでも二、三泊ぐらいで、後は家でゆっくりするぐらいのプランが主なのかもしれない。昔なら故郷へ帰ってゆっくりする人も多かったであろうが、もう帰る故郷のなくなった人も多くなったであろうし、帰っても昔と違って故郷の家と言っても狭い都会の家やマンションであったり、ひとり親が住んでいるだけであったり、故郷にはお墓があるだけで泊まる家のない人もいるのではなかろうか。

 そうすると、九日間の休みも二、三日の旅行に、近くのお出かけ、あとは自宅でゆっくりといった組み合わせの使い方が多いのかも知れない。それなら金曜日ぐらいには帰って、土、日と休養して、月曜からのまたの仕事に備えようということで、金曜日ぐらいから高速道路も混むことのなるのであろうか。

 可哀想な日本人はまだまだ長期の休暇を楽しむすべを知らないのであろうかと、暇な老人はテレビの渋滞情報を聞いて勝手にストーリーまで作って想像し楽しんでいるのである。