9割引で買う方法

 どこかで9割引で何かを売り出している現場を見たとしたら、誰だって何故そんなに安いのだろうかとまずは疑ってかかるだろう。曰く付きの偽物かまやかし物か?しかし、その品物が国にオーソライズされた確かなものであると分かれば、これはますますおかしいぞ。一体どういうカラクリがあるのだろうか。裏で誰かが何か企んでいるのではなかろうかと思うのが普通ではなかろうか。

 そんなことが1万円のものを千円にするというような話であればまだ良いが、9億5千万円とかするものがわずか1億3千万円とかで売られ、しかもそれに先立って、一億何千万円だかを土地のゴミ処理費用として払って貰っているそうで、実質は差額の2百万円だけ手にれているのだということらしい。

 どのような場所の土地であろうと、国有地がそのように売買されたのが本当だとすれば、普通にはありえない話なので、どんなに鈍い人でも、これはおかしい、裏で政治家が絡んで何らかのインチキが行われているのではないかと疑わねばおれないであろう。

 それが大阪府豊中の学校建設に絡んで実際に行われているというのである。裏で行われていることなので、中々実態はわからないが、通常公表されている国有財産の取引の内容がこれに限って非公開になっていたり、8億幾らかの値引き分がゴミの撤去費用であったとされるが、その根拠とされる43%ものゴミ含有率はよく知られている現地の過去の歴史を見てもそんなに大量に廃棄物が現地に投棄されていたことは考えにくいし、取引に関する資料は全て廃棄されているという。それに、一旦売却した国有地をすぐに錯誤だといってわざわざ買い戻してから売っているのも怪しいし、すぐ隣の中学校が15億円で売買された実績との釣り合いから言っても不思議である。現地を他の学校法人が7億円で買おうとしたがのが安すぎるということで売買契約が成立しなかったことなどもある。

 さらには、それまで出来なかった私学の設立基準が直前に緩められて可能になっていたり、土地の取得がまだ決まっていないうちに学校の認可がおりていたりと、何だかおかしなことばかりあるようでもある。

 あまりにも世間の常識では考えにくいことが行われたことをみると何か怪しいことがあると考えない方がおかしい。どこかで政治家が絡みでもしないと官僚が単独でそんな非常識なことを出来るはずがない。 それにもかかわらず、官僚は知らぬ存ぜずで逃げ、資料はもうないと言い、政府は頑なに問題の中心人物や官僚の国会での参考人尋問を断っている。過去に問題の中心人物との関係があった国会議員は急にその人物との関係を頑なに否定しようとしているが、否定すればするほど関与が疑い深くなってくる。

 その上、問題の人が現政権と関係の深い日本会議の大阪の役員であり、安倍首相も最初は褒めていて、首相夫人が名誉校長にもなっていたこともあり、直接か間接かはわからないが関係がなかったとは言えない間柄には間違いないのである。

 およそ庶民とは関係のない大金の関わる奇怪な取引であるが、それだけに、この庶民の懐具合の厳しい時に、国民の財産を勝手に処分するな、国民にしっかり説明せよと叫びたくなるのは当然であろう。問題はまだ進展中で、安倍総理の名前も出、急に国会の証人喚問も行われることになったようなので、今後どうなっていくのか推移を見守っていかねばならないが、安倍長期政権の奢りがこうしたスキャンダルを作る要因ともなっているのであろう。

 こんなことが可能なら、あなたも一つ誰か国会議員を動かして、億の金は無理でしょうから、せめて百万円のものを十万円で買えるぐらいの工夫をしてみてはどうでしょう。ただし、政治家は自分に火の粉が被りそうになると、急に態度を変えて裏切ったり、トカゲの尻尾切りのようなことをする人種なので十分注意する必要があることも知っておくことです。